モーニカ・ヴァルシャイ
リザ
日本の『九尾の狐』伝説をモチーフにしたハンガリー発のファンタジー。日本人歌手の幽霊と同居する30歳の独身女性リザ。彼女の周辺で、恋した相手が次々と殺されてゆく不思議な事件が発生する。劇中を彩るヘンテコな昭和歌謡にも注目。ハンガリーでCMディレクターとして活躍していたウッイ・メーサーロシュ・カーロイ監督は、本作が長編デビュー作となる。主演はハンガリー国内の作品で活躍するモーニカ・ヴァルシャイ。
1970年代のブダペスト。日本大使未亡人の看護人として住み込みで働くリザ(モーニカ・ヴァルシャイ)の心の拠り所は、日本の恋愛小説と、自分にしか見えない幽霊の日本人歌手、トミー谷(デヴィッド・サクライ)だった。その軽妙な歌声は、日々の孤独を忘れさせてくれた。そして迎えた30歳の誕生日。恋愛小説にあるような甘い恋に出会おうと、リザは意を決して未亡人から2時間だけ外出許可を貰う。ところが外出中、何者かによって未亡人が殺害される事件が発生。悲しみに暮れるリザの周辺で、奇怪な殺人事件が次々と起きる。彼女が恋した人は死者となり、そこにはキツネの影が……。刑事のゾルタンは下宿人を装ってリザと同居を開始。密かに捜査を進めてゆくが、リザに殺人の気配は微塵も感じられない。一体、真犯人は誰なのか……?
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