フート・ギブスン
Bob_Merril
「当たり屋ギブソン」「山猫ならし」と同じくフート・ギブスンが主演する映画である。「翼の騎士」「ギブソン大捕物」のリーヴス・イースンが自らストーリーをくみたて、シナリオを執筆し、監督にあたったもので、カメラはギブスン映画に従属しているハリー・ニューマンの担任。助演者は「娘喜べ水兵上陸」のヘレン・ライト、「脱走兵」「野球王」のフィロ・マッカロー、ボブ・ホーマンス、C・E・アンダーソン、バディー・ハンター、ピーウィー・ホームス、ウィリアム・バートラム、それから往年アロウ映画に活躍したピート・モリソン等である。
西部に名高いプールダー山峡谷地に砦をかまえている家畜略奪団があった。その首領をベスコといい獰猛な凶漢だったが、彼ら略奪団は過去数カ月間、絶えずメリル家の牧場をつけ狙いおりおり現れてはこれを襲っていた。少年カウボーイのバディー・ヘイズレットの父は牧場を監視中、ある時何者かに突如殺害された。下手人はあきらかにベスコ配下の1人であることだけは検討がついたが、さて誰がその犯人であるかは不明であった。牧場主メリルの伜、ポップ・メリルは苦心惨憺し、どうやらベスコ一味中のインド人ジョーの仕業らしいと目星をつけたが、ある日、単身彼らの砦を襲ったところ、図らずも自分の牧場に働いているトム・マースデンがベルコ一味と相通はかりごとしバディー少年の父親を殺害したことが判明した。かかる一方、町に待った1年に1度の乗馬大協議会が開催されることになる。そして数多のカウボーイ連中の中に混じって出場したポップはみごと荒馬「マンキラー」を乗りこなしたので、衆人かいっせいに賛嘆の声を放たれた。しかし、牧場の人達がこの騒ぎに有頂天となり、他への注意が散漫となっているすきに乗じ、ベスコ一味はひそかにバディー少年とカウボーイの1人ショーティーとをひっ捕え、プールダーの大峡谷なる彼ら一味の巣窟に拉し去って入った。この一部始終を目撃していたのはポップの恋人ペギーだったが、彼女は急ぎポップのもとに駆けつけ彼らの気難を告げる。これを聞いたポップは奮然として直ちにペスコ一味の巣窟に吸収し乱闘数刻、遂に敵が唯一の威力とする機関銃を手中におさめ、これを利用してさしも猛悪の名を恣にしたる家畜略奪団全員を一掃した。そして無事に人質となっていたバディー少年とショーティーを救い出し意気揚々と牧場へ帰って来た。この時、突如彼が姿を消したことから競技海上の人々は狐につつまれたごとくであったがベスコ一味を退治して凱旋した姿を見るや歓呼してポップを迎えた。その上、その日の大競技に彼は優勝者であったので賞金5000ドルもポップの手に入った。いやそればかりでなく、彼は晴れてペギーとの婚約も許されることとなった。
Bob_Merril
Peggy_Brandy
Pop_Merril
Tom_Marsden
Pecos
Buddy_Hazlet
Shorty
Indian_Joe
Blackie
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