1980~90年代ロサンゼルスの音楽シーンにフォーカスしたロック・ドキュメンタリー“西洋文明の衰退”シリーズ第3弾。ハードコア/パンクのムーブメントを捉えた「ザ・デクライン」から17年、若者たちの厳しい現実を見つめる。監督は「ザ・デクライン」のペネロープ・スフィーリス。何度か映画祭で上映された以外は、日の目を見ることなく幻となっていた作品が満を持して劇場公開。
ストーリー
本作が捉えたのは、1981年の『ザ・デクライン』で描かれたハードコア/パンクの90年代の姿。成功を収めたバンドやミュージシャンではなく、前作のメンタリティに生きる若者たちのその後を追う。焦点を当てたのは、精神性とライフスタイルが究極のアンダーグラウンドに行き着いたパンクス、違法に廃屋に住み着き、ビールをこよなく愛し、社会から完全に脱落したガター・パンクスたち。社会に対する怒り、親からの虐待、資本主義社会からの迫害、警察からの暴力、疎外感、貧困、絶望。彼らはパンクロックにのみ生きる意味を見出し、同じ境遇にある仲間とともに、新たな家族を形成して支え合いながらその日を生きる。その人生に目的は一切ない。“NAKEDAGGRESSION”は『ブタ(警官)どもに死を』を演奏し、ガター・パンクスのハンバーガーは路上で小銭をせびる。彼らの厳しい生態を見つめた本作には、破滅と退廃と絶望が満ち溢れている。
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ニュース
作品データ
- 原題
- THE DECLINE OF WESTERN CIVILIZATION: PART III
- 製作年
- 1998年
- 製作国
- アメリカ
- 配給
- ビーズインターナショナル(提供 キングレコード)
- 初公開日
- 2016年4月2日
- 上映時間
- 86分
- ジャンル
- ドキュメンタリー
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