1970年に夭逝した女性ロックシンガー、ジャニス・ジョプリンの素顔にスポットを当てたドキュメンタリー。彼女の身近にいた人々からのインタビュー映像と、家族や恋人に宛てた手紙を軸に、一人の女性としての“ジャニス・ジョプリン”を浮かび上がらせる。監督は、「フロム・イーブル バチカンを震撼させた悪魔の神父」でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされたエイミー・バーグ。2015年ヴェネツィア国際映画祭、トロント国際映画祭、ロンドン映画祭正式出品作品。
ストーリー
1943年1月19日、ジャニスはテキサスの田舎町で、ごく普通の中流の家庭に生まれた。容姿へのコンプレックスや元来の内気で繊細な性格から学校になじめず、他の生徒から孤立を深めていくが、やがてブルースやフォークに出会い、自分でもバンドを組み歌い始める。1963年、ジャニスはフラワー・ムーヴメントの中心地サンフランシスコへひとりで行く。そこで圧倒的な歌唱力で歌手としての存在感を高め、ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーに加入する。1967年、モンタレー・ポップ・フェスティバルでのライブで一夜にしてスターダムにのし上がると、1969年のウッドストック・フェスティバル、1970年の列車に乗ってカナダを横断しながら行うツアー『フェスティバル・エクスプレス』など精力的に活動するようになる。60年代後半の公民権運動やベトナム反戦運動、ウーマンリブなどカウンターカルチャーが吹き荒れる激動の 時代の象徴として大きな脚光を浴びるようになったジャニスだったが、1970 年 10 月 4 日、アルバム『パール』のレコーディング中にヘロインのオーバー・ドーズにより 27 歳の若さで亡くなる。本作は遺族の全面協力により、バンドのメンバーや親しい友人、昔の恋人、家族ら身近な人々からのインタビュー映像と、家族や恋人に宛てた個人的な手紙を軸に、ロックスターとしての彼女ではなく、一人の女性としての“ジャニス・ジョプリン”を浮かび上がらせる。