韓国・江原道横城郡の古時里という小さな村に暮らす一組の老夫婦に15ヶ月間に渡って密着したドキュメンタリー。仲睦まじい日常生活と美しい四季の様子をカメラに収め、韓国では480万人の動員を達成。ロサンゼルス映画祭最優秀ドキュメンタリー作品賞受賞。また、モスクワ国際映画祭ほか多くの映画祭で観客賞に選ばれた。
ストーリー
美しい小さな村の川のほとりで暮らす、結婚76年目になる98歳のおじいさんと89歳のおばあさんは、おそろいの服を着て、手をつなぎ、いつも一緒に出掛けていく。春は山菜を採り、ナムルを作る。花を摘み、お互いの髪に飾り合う。夏は昼下がりにポーチでお昼寝をしたり、涼風が復縁側に腰掛けて談笑する。秋、庭の落ち葉を掃除し、葉っぱを投げてふざけ合う。冬、真っ白になった庭で雪合戦をし、凍りついた手に息を吹きかけて温め合う。いつも笑い声が響き渡る、愛に溢れた生活を送る二人は今の生活に満足しながらも、日々の気苦労は絶えない。飼い犬の妊娠、二人を心配するあまりに起こる子供たちの喧嘩、おばあさんの膝の痛み、おじいさんの体……。雨がしとしとと降る日、ひどくなっていくおじいさんの咳を聞きながら、「天国でも着られるように」と、おばあさんはおじいさんの服を焚火にくべるのだった。