熊本と東京を舞台に、3人の男女の現実と記憶を綴るファンタジー。幼い頃に母親を亡くした少女は、過去の記憶に囚われ続ける男と出会い、突然身体が宙に浮き始める。時を同じくして、一人暮らしの老作家の留守番電話には死んだはずの娘から伝言が残されていた。「グレーのバリエーション」の遠山昇司と、数多くのアーティストのミュージックビデオを手がける丹修一が共同で監督。出演は「うつくしいひと」の米村亮太朗、「ローリング」の柳英里紗、「断食芸人」の和田周、「日本零年 フクシマからの風 第二章」の目黒真希。2016年3月26日より熊本先行公開。
ストーリー
高校時代の友人マユミの死を引きずっている佐藤(米村亮太朗)は、目的のない毎日を送っていた。そんなある日、デリヘル嬢のリサ(柳英里紗)と出会い、夜を共にするが、突然リサはかつてマユミが佐藤に話した“白い象”の物語を語り始める。佐藤は戸惑いながらも、リサに特別な感情を抱き始めてゆく……。幼い頃に母親を自殺で亡くしたリサは、ナオという本名を伏せながら3つの名前を使い分けデリヘル嬢として生活していた。彼女の記憶にかすかに残っているのは、霧の中に消えていく母親の姿。そして「身体が宙に浮くようになったらユートピアが現れる」という母親の言葉であった。そして佐藤との夜、リサは自分の身体が宙に浮いていることに気付く。翌朝、リサは自分の身体が宙に浮いてしまったことへの不安に駆られながら、あの記憶を確かめるために母親の過去を知る人物の元へと向かうのだった……。17年前に娘を亡くした老作家(和田周)は、孫のナオとほとんど連絡を取らずにひとり孤独に暮らしている。ある夜、彼が帰宅すると留守番電話に不思議なメッセージが残されていた。「離れていきますね。もしかしたら、何かへと惹きつけられているのか。そうも見えますね……」翌晩、電話が鳴り、老作家が電話に出ると受話器の向こうから聞こえてきたのは、死んだはずの娘の声であった……。
スタッフ
監督、脚本、企画、プロデューサー
遠山昇司
監督、編集、コンセプトアーティスト
丹修一
撮影監督
岩神拓郎
音楽
志娥慶香
プロダクション・デザイナー
enzo
スタイリスト
行定幸治
ヘアメイク
石田賢治
照明
山本正元
録音
尾方航
サウンドデザイン
都田和志
VFX
木村康次郎
助監督
嶺豪一
共同プロデューサー
KiNG
制作
豊田希
制作
新田真紀
絵画
篠塚聖哉
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 製作年
- 2015年
- 製作国
- 日本
- 配給
- マジック・ピクチャーズ
- 初公開日
- 2016年3月26日
- 上映時間
- 88分
- 製作会社
- 「マジックユートピア」製作委員会
[c]キネマ旬報社