ゴードン・ケメラー
Frank Satzke
1980年代の社会主義政権下の東ドイツで巻き起こった“ブレイクダンス”ブームを題材にしたドラマ。ブレイクダンスに熱狂する18歳のフランクと仲間たち。ダンスを若者向けのプロパガンダに利用したい政府は、彼らを国家の芸術集団に認定する。「暗い日曜日」のルート・トーマが脚本を担当。ヒホン国際映画祭2014 Enfants Terribles部門最優秀作品賞受賞、バイエルン映画賞2014最優秀新人女優賞ノミネート。
1985年、社会主義政権下の東ドイツ。ある晩、西側のテレビ番組で紹介された“ブレイクダンス”に心を奪われた18歳のフランク(ゴードン・ケメラー)は、翌日、アメリカ映画「ビート・ストリート」を観に映画館へ駆け込む。フランクは一気にブレイクダンスの虜となり、地元のスポーツ協会に通う親友のアレックス(オリバー・コニエツニー)、美人の体操選手マルティナ(ゾーニャ・ゲルハルト)、同じく映画に影響されたミヒェルと共に、路上でダンスを踊るようになる。多くの若者がブレイクダンスに熱狂するなか、政府の娯楽芸術委員会は、アメリカ生まれの非社会主義的なダンスを禁止しようとする。フランクをはじめとするダンサーたちは人民警察に逮捕されるが、それでもブームの勢いは止まらなかった。そこで政府は、ブレイクダンスを社会主義化し、若者向けのプロパガンダとして利用する政策を打ち出す。フランク率いるダンスチーム“ブレイク・ビーターズ”は国家認定の芸術集団として人気を博していくが、その代償として自由なダンスが踊れなくなるというジレンマを抱え……。
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