エドワード・エヴァレット・ホートン
Homer_Eitts
「トップ・ハット」「小さい親分」のエドワード・エヴァレット・ホートンが主演する映画で、チャールズ・クリステンセンの原作を「不在証明なき犯罪」のドリス・マロイが脚色し、かつてMGMに在社したウィリアム・ナイが監督に当たり、エドワード・スナイダーが撮影したもの。相手役は「街の果報者」「拳骨ハリガン」のアイリーン・ハーヴェイで、助演者は「当たり屋勘太」のジャック・ラルー、ロバート・マクウェード、ウィラード・ロバートソン、ローラ・レーン等。
デヴィス製薬会社で働いているホーマー・ビッツは生来すこぶるの小心者で、一寸した具合で出るシャックリにもあの薬この薬と常用している有様だった。社長の秘書ペギィは以前から大分ビッツと心易くしていたが、弟が病気で手術の金に困っていた。ビッツはその金を立て替えようと言ったが、ペギィは他で都合するからとそれを断った。ビッツは彼女の言葉にしたがってある医者に診断を受けたところ余命僅かに3ヵ月と言われて意気消沈。ペギィとの仲にもひびが入ってしまった。ある土曜ペギィは社長から受け取った巨額の証券を金庫にしまっておいた。ところが月曜の朝になってみると、それは何者かに窃取されている。当然この嫌疑は金庫の符號を知っているペギィにかけられた。ビッツは彼女が弟のため莫大な費用を要することを知っているので、てっきり彼女の出来心と思い込み、愛する彼女のため余命いくばくもない自分が身代わりになろうと、虚偽の自白をした。こうして彼は刑務所へ入れられたが、ペギィは彼の仕業とは信ぜず、知人トレント氏を説いて運動の結果、彼は保釈出獄することになった。これを知って危険を感じたのは本当に証券を盗んだギャングの一味である。彼らは策を巡らして早速ビッツを誘拐し彼の嫌疑を濃厚にした。しかし監禁されたビッツはギャング一味の仲間割れに乗じて珍計百出、怪我の功名が成功してついに証券はデヴィス氏の手に戻り、ギャングは捕縛された。こうして憶病者の彼は一躍街の英雄となってしまった。丁度折しも彼の余命3ヵ月と診断した医者は、実は偽医者だったことが判り、ペギィの愛を得たビッツはもうシャックリ位には驚かなくなったのである。
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