ディアナ・ダービン
Penny
エディー・キャンターと共にラジオに出演して人気を博している十六歳のディアナ・ダービンが主演する映画で、「快速突破隊」「湾岸警備船」のナン・グレイと「大高原」のバーバラ・リード、「黄金(1936)」「モヒカン族の最後(1936)」のビニー・バーンズ、「ショウボート(1936)」のチャールズ・ウイニンジャー「結婚設計図」のレイ・ミランド、「コンチネンタル」のアリス・ブラディが共演する。脚本はアデール・コマンディニが書卸し「人形の母」「ペーテルの歓び」のヘルマン・コステルリッツ改めヘンリー・コスターが監督に当たり、「結婚設計図」のジョセフ・ヴァレンタインが撮影した。助演は「歌へ陽気に」のミッシャ・オーア、「世界航空戦」のジョン・キング、「楽天伯爵」のアーネスト・コサート、「テンプルの灯台守」のネラ・ウォーカー、「愛情無限」のホバート・カヴァナ等である。
ニューヨークの大銀行家クレイグ氏は十年前に、三人の子をなした夫人と離婚した。夫人は娘等三人、ジョゥン、ケイ、ペニイを連れてスイスに住み、夫の心が再び戻る日を待っていた。ところがクレイグとダナ・ライオンスの婚約が新聞に発表され夫人の心は暗く閉ざされてしまった。もう年頃になっている三人の娘たちは母の歎きを見るに忍びず、声楽の修業をしている一番下のペニイの発案で、母に秘してニューヨークに渡り父とダナの結婚を打壊そうと決心した。三人は親切な家政婦に旅費を借りこっそり米国へ渡った。ダナには悪い母親が付いていてこの結婚がクレイグ氏の財産目当であるのは言うまでもない。娘たちは早速ダナと父の間を邪魔に掛ったので、ダナは娘の帰国をクレイグ氏に迫った。しかしいよいよとなればさすがにクレイグ氏は父親としての愛情が湧いて、娘たちを追帰すことが出来ない。銀行の若い支配人ビルもこの結婚には大反対なので、娘たちと相談してダナを遠ざける計画を進めた。ビルの友人にハンガリイの貴族で酒飲の貧乏者アリステイヅがいるので、彼を金持にしたたてダナを引掛けることになった。ところが彼の顔を知らない娘たちは料亭で彼が目印の雑誌を落としてしまったので、それを拾った英国の若い富豪貴族マイケルを彼と間違えてダナに紹介した。ダナがこの若い金満家に興味を持ったのはもちろんである。マイケルは娘たちの計画通りに成り済ましていたのは、中の娘ケイを好きだからである。だからダナと食事の約束はしたものの、ケイとの散歩に夢中で素っぽかしてしまった。そこでマイケルに脈がないと思ったダナは、とうとう明日はクレイグ氏と結婚式を挙げることになった。万策つきてビルが身代にダナと結婚すると言い出したが彼を愛している長女ジョゥンがそれに反対する。ケイはマイケルがアリステイヅでないことを知り、彼を好きにはなっているし泣いているばかりである。これを見て末のペニイはついに最後の手段として家出をした。こうなっては根が善良な父親クレイグ氏は結婚式どころではなく、余りダナがしつこく言うので腹立ちまぎれに母娘を怒鳴り帰した。それでダナはマイケルがほのめかした結婚を信じ、母娘で出帆間際の船に彼を追って飛び乗ると、マイケルは乗っていなかった。ペニイは警察の保護で家に帰り、ビルとジョゥン、マイケルとケイの二組の恋人が出来上がり、一同揃ってスイスから来た母親を波止場に出迎えた。
Penny
Joan
Kay
Donna_Lyons
Mrs._Lyons
Lord_Michael_Stuart
Judson_Craig
Count_Arisztid
Bill_Evans
Binns
Wilbur_Lamb
Trudel
Dorothy_Craig
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