大金争奪戦をスタイリッシュな映像と緻密な脚本で活写するブラジル発のクライム・アクション。極悪非道なギャング、マイコンの金を奪うと同時に汚職政治家を懲らしめようと企む男エヂガール。検察局検事ジュリアらを巻き込みながら、各々の欲望が交錯してゆく。出演は「この世の先に」のフェルナンド・アルヴィス・ピント、「センチメンタルなピエロの旅」のトグン。監督・脚本は、本作が長編デビューとなるアフォンソ・ポイアルチ。劇場公開に先駆け、2012年10月6日より東京・渋谷ユーロスペースにて開催された『ブラジル映画祭2012』にて上映。
ストーリー
ブラジル・サンパウロ。2年前、車を運転中に死傷事故を起こしたが、父親のコネで罪に問われず国を出ていたエヂガール(フェルナンド・アルヴィス・ピント)は、帰国後、AV鑑賞とテレビゲームに明け暮れていた。腐敗した社会に嫌気がさした彼はそんな怠惰な日々を過ごしながら、ある計画を秘かに企んでいた。それは、極悪非道のギャング、マイコン(マラチ・デスカルチス)の金を奪い、さらに汚職政治家を懲らしめる“二兎<トゥー・ラビッツ>”を一撃で仕留めるという計画だった……。一方、検察局で働く女性検事のジュリア(アレサンドラ・ネグリーニ)は、捜査情報を提供したとしてマイコンとの関係を疑われ、職場に内務調査が入ることになるが、そんな折、マイコンに殺しの容疑がかけられる。最後の稼ぎ時とばかりに「金を積めばなんとかなる」とジュリアはマイコンに話を持ち掛ける。エヂガール、ジュリア、マイコン、汚職政治家、それぞれの欲望が交錯し、関係性が複雑に絡み合うなか、エヂガールは計画を実行。果たしてエヂガールの真の目的とは……。