福山雅治
重盛
主演・福山雅治&監督・是枝裕和という『そして父になる』のコンビが再びタッグを組んだサスペンス。裁判で勝つためなら真実は二の次と割り切っていた弁護士が、担当した殺人事件の闇にはまっていく姿を描く。得体の知れない不気味な容疑者を役所広司、事件の鍵を握る被害者の娘を広瀬すずが演じる。
※結末の記載を含むものもあります。
ある日、工場の社長が殺され、元従業員で殺人の前科を持つ三隅が起訴された。犯行を自供し、死刑がほぼ確実となるが、弁護を担当することになった重盛は無期懲役に持ち込もうと調査を始める。ところが、三隅の供述が会うたびに変わったり、動機さえも二転三転するなど、次第に重盛のなかで違和感が生まれていく。
監督、脚本、編集
製作
製作
製作
プロデューサー
プロデューサー
撮影
美術監督
音楽
音響効果
照明
録音
[c]2017 フジテレビジョン アミューズ ギャガ [c]キネマ旬報社
ストーリーも含め、是枝監督が練りに練り上げて提示した、真にすごい映画ですが、賛否が激しく二分するのだろうなとも感じました。
たとえば無言のシーン。
テレビだと「放送事故」なんて言って忌み嫌われるものですが、この映画の白眉こそ、これでもかと多用される無言のシーンなのです。
物語を真に紡ぐのは言葉ではなく、無言である。その監督の強い意志を、二人の名優がこれでもかと絵にしてくれています。
二人の心理の揺れ動くさま、ほんとうに楽しめました。
また裁判についても、実際にそれを手がけたことがある人だけが知る、これぞリアルな日本の裁判だと納得するものに仕上がっていました。
リアルだけど、決しておちゃらけることはない。この描き方は、キモの坐った人でないとできないものだと感心しました。
ドラマで見る裁判は、あんなの裁判でも何でもなく、単なる裁判劇に過ぎないでしょ、クソ喰らえ! というシニカルな思いなのかも知れません。
「法廷で、真実を話す人はいない」。
奥の深い映画で、ほんとうに楽しめました。
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冒頭から2/3までは面白かったのに、クライマックスで迷走したと思う。
主演の福山が「あらら、監督どこ行っちゃうの?」と感想を漏らした通り、結末が非常に分かりにくい。
映像も観客を誤解させる殺人場面を描き、サスペンスに素人な是枝監督には土台無理な話だったのかな、とも思える。
途中までは「容疑者Xの献身」を彷彿とさせる筋書で、福山を意識したかもだが、役所が何でも出来るので、監督が無茶振りしてしまった結末だと思った。画作りは天才的なのに、力みすぎた失敗作だと思う。