演出家・蜷川幸雄の一周忌に合わせその演出作品を全国15ヶ所の映画館で上映するシリーズの第4弾。ヴェニスの貿易商アントーニオの元にバサーニオが借金を申し込みにやってくる。しかし全財産が船の上にあったため、自分を保証人として借金するよう勧める。彩の国シェイクスピアシリーズの1本で、シェイクスピアの時代に倣い、すべての役を男性が演じている。出演は、「超高速!参勤交代」シリーズの市川猿之助、「愚行録」の中村倫也、「シュアリー・サムデイ」の横田栄司、「サバイバルファミリー」の大野拓朗、舞台『尺には尺を』の間宮啓行、「あかね空」の石井愃一、「謝罪の神様」の高橋克実。
ストーリー
貿易都市ヴェニス。ある日、貿易商を営む裕福な紳士アントーニオ(高橋克実)の元に、年下の親友バサーニオ(横田栄司)が訪ねてくる。彼は、莫大な財産を相続した才色兼備の貴婦人ポーシャ(中村倫也)にプロポーズするため、その資金を貸してもらおうとしていた。しかし、アントーニオの全財産は海を渡る船の上にあったため、自分を保証人として借金をするようバサーニオに勧める。だが、バサーニオが借金を申し込んだのは、アントーニオの天敵、高利貸しのシャイロック(市川猿之助)だった。期日までに金を返せなければ、アントーニオの胸の肉1ポンドをシャイロックに与えるという条件で借金に合意する。ポーシャの亡き父は、彼女の求婚者たちに金、銀、鉛の3個の小箱からひとつを選ばせ、正しい箱を選んだ者と結婚するよう遺言を残していた。バサーニオは箱選びに成功し、ポーシャと結ばれる。そこに、アントーニオの船がすべて難破したと知らせが届く……。