ジャクリン・ホセ
ローサ
第69回カンヌ国際映画祭で、ジャクリン・ホセが主演女優賞を受賞したフィリピンの麻薬撲滅運動の闇に切り込む問題作。マニラのスラム街で、小さな雑貨店を夫婦で営み4人の子供を育てるローサ。だが家計のため少量の麻薬を扱ったことで夫婦は逮捕されてしまう。監督は「囚われ人」のブリランテ・メンドーサ。共演は「罠 被災地に生きる」のフリオ・ディアス、「囚われ人」のマリア・イサベル・ロペス。
食品や雑貨類を扱うサリサリストア“ROSA”を切り盛りするローサ・レイエス(ジャクリン・ホセ)は、夫ネストール(フリオ・ディアス)、長男ジャクソン(フェリックス・ロコ)、次男カーウィン(ジョマリ・アンヘレス)、長女ラケル(アンディ・アイゲンマン)、次女ジリアン(イナ・トァソン)とともにマニラのスラム街に暮らしている。人が密集しているこの街は貧しくても人と人のつながりは深い。ある土曜日の夕方。スーパーマーケットに買い出しに来たローサとカーウィンは、突然の雨の中、たくさんの買い物袋を持って家路へ急ぐ。帰り着くと、ネストールは店番もせずに、こそこそクスリをやっている。買い出してきた雑貨や菓子類を分けた後、仕入れた麻薬を砕き、手慣れた様子で小さなビニール袋に小分けにする。これが家族の生活を支えているのだ。夕食を買いに出掛けるローサに、息子同然に面倒を見ているボンボンが“アイス”を売ってと近づいて来る。“アイス”とは、麻薬の隠語。夕食を家族でとろうとしたその時、突然警察の男たちがやって来る。「全員、動くな。ブツはどこだ」手錠をかけられ連行されるローサとネストール。警察署。20万で手を打ってやると巡査がささやくが、「そんな大金……」とローサは口ごもる。協力しないならブタ箱行きだ、金がないなら売人を売れと巡査はたたみ掛ける。そしてローサは売人のジョマール(クリストファ・キング)を売った。捕まったジョマールのバッグから大量の麻薬とカネが見つかる。巡査たちは、嬉々として押収したカネを山分け。ひとりの巡査がカネをポケットに入れ、署長室へと向かう。そして巡査たちはジョマールにも金を要求。ジョマールは上級警部へ携帯メールで助けを求めるが、巡査たちにバレて袋叩きにされる。その様子を見ていたローサに巡査のひとりが拳銃を向けて言う。「警察に連絡したら殺すぞ。区長に連絡しても同じだ」ジョマールが持っていたカネ10万、ジョマールの妻リンダ(メルセデス・カブラル)が見逃し料として払う5万。20万ほしい警察は残りの5万をローサに要求する。カネを払うまで、両親は帰せないと警察署にやってきたローサの子供たちに3級巡査部長が告げる。やがて、子供たちは両親のためにお金を集めようとするのだが……。
ローサ
ネストール
ジャクソン
ラケル
カーウィン
ジリアン
ジョマール
リンダ
ティルデ
監督、製作総指揮、制作デザイン
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
音響
ライン・プロデューサー
クリエイティブ・コンサルタント