フランスを代表する写真家レイモン・ドゥパルドンが倉庫に眠るアウトテイクをつないで制作したドキュメンタリー。彼の人生のハイライト集であると同時に、旅を通じて新しい自分と愛すべきものを発見する。2012年カンヌ国際映画祭、東京国際映画祭で上映。共同監督は、妻であり、ドゥパルドンの映像作品で製作・録音を担当してきたクロディーヌ・ヌーガレ。
ストーリー
フランスを代表する報道写真家でマグナム・フォト所属のレイモン・ドゥパルドンは、アルジェリアの戦場、ベトナム、レバノン、南アフリカ、アマゾンと、世界を飛び回って20世紀のあらゆる変革が起きた現場の取材を続けてきた。また、映画のスチルカメラマンとして、トリュフォーやゴダール、ロメールなどの撮影現場に赴き、アラン・ドロンなどのスターにも取材した。ときには『プレイボーイ』や『ルイ』などの雑誌の仕事を行うこともあった。また、フランス国内で大統領選挙や裁判所、精神病院、警察といった国家機関の内部に迫るルポを市民の目線から描く映像作品を制作し、映画祭などで高い評価を得た。近年は、鄙びた洋品店や伝統的な町工場、海岸沿いの安ホテル、伝統的な農業を続ける家族など、ガイドブックには載らない風景ばかりを40年以上に渡って撮影した作品を発表した。フランスの真実の美を追い求めるドゥパルドンは、今日も愛車に機材を詰め込み、フランス中を走り回る。