ピアニストのフジコ・ヘミングの軌跡からプライベートまで密着した初のドキュメンタリー。スウェーデン人の父との別離、母からの厳しいレッスン、ハーフへの差別、貧しい留学生活、聴力の喪失など苦難を乗り越え、夢を諦めなかった彼女の人間性と音楽に迫る。監督は、様々なミュージシャンのMVやドキュメンタリーを手掛ける小松莊一良。
ストーリー
日本人ピアニストの母と若きロシア系スウェーデン人デザイナーの父を両親として、ベルリンに生まれたフジコ・ヘミング。父と別れ、東京で母の手ひとつで育った彼女は、5歳から母の手ほどきでピアノを始める。東京芸術大学を経て、NHK毎日コンクール入賞、文化放送音楽賞など多数受賞し、30歳でドイツへ留学する。ベルリン音楽学校を優秀な成績で卒業すると、その後長年にわたりヨーロッパに在住し、演奏家としてのキャリアを積みながら、レナード・バーンスタインなど世界的音楽家からの支持を獲た。しかし、一流の証となるはずのリサイタル直前に風邪をこじらせ、聴力を失ってしまう。失意のなかストックホルムに移住し、耳の治療の傍ら、音楽学校の教師の資格を取得し、ピアノ教師をしながら欧州各地でコンサート活動を続ける。1999年、リサイタルとNHKのドキュメント番組が大反響を呼び、リリースしたデビューCD『奇蹟のカンパネラ』はクラシック界異例の大ヒットを記録した。これまで2枚のCDで日本ゴールドディスク大賞、4度にわたる各賞のクラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞し、モスクワ・フィル、ロイヤル・フィルなど世界各地の著名オーケストラと共演を果たした。現在、ヨーロッパをはじめ、北米、南米、ロシアなど世界中からリサイタルのオファーが絶えず、年間70本近くの公演活動で多忙を極めながら、猫や犬をはじめ動物愛護への関心も深く、長年チャリティー活動も続けている。パリ、ニューヨーク、アルゼンチン、ベルリン、京都……。世界を巡るフジコの心震えるワールドツアーでの演奏や、自宅で愛する猫たちに囲まれて暮らすプライベートに迫る。
キャスト
スタッフ
監督、撮影、編集、企画、構成
小松莊一良
ナレーション
三浦透子
エグゼクティブプロデューサー
新井重人
撮影監督
青木正
企画プロデュース
千葉広二
プロデューサー
小室直子
ライン・プロデューサー
佐藤裕武
ライン・プロデューサー
小松上花
サウンドトラック・プロデューサー
西尾勇哉
ミキシングエンジニア