監督、脚本、ナレーション
ニュー・ジャーマン・シネマを代表するヴェルナー・ヘルツォーク監督が、湾岸戦争の爪痕にカメラを向けた全13章のドキュメンタリー。クウェートで発生した大規模油田火災の消火活動を中心に、悲惨な戦争の跡をワーグナーなどの荘厳な調べに乗せて映し出す。1993年メルボルン国際映画祭にてグランプリを受賞。2000年にドイツ文化センターで開催されたヘルツォーク特集にて上映。ヘルツォーク特集2017 <誕生!ヘルツォーク>内にて劇場上映。
ストーリー
イラクのクウェート侵攻を機に1991年アメリカを中心とした多国籍軍が派遣され、イラクを攻撃。こうして始まった湾岸戦争は、大きな爪痕を遺した。戦火により黒煙を上げる油田と消火活動にあたる作業員たち。残虐行為を前に言葉を失う女性や幼な子。破壊された町。流れてゆく石油。ヘルツォーク監督自身のわずかなナレーションとワーグナー、シューベルト、ヴェルディ、マーラー、プロコフィエフらのクラシック音楽に乗せ、悲惨な戦争の跡を映し出していく。