2017年2月に公開された富田克也監督「バンコクナイツ」のメイキングドキュメンタリー。タイ・ラオス約4000キロのロケハンと撮影に密着。旅をしながら映画を撮り、次第に映画そのものが旅と重なっていく様子を捉えながら、東南アジアの戦争史を浮き彫りにする。監督・撮影は「バンコクナイツ」で撮影・照明を担当した向山正洋。2017年12月9日、山口情報芸術センター[YCAM]にてジャパンプレミア先行上映。
ストーリー
映像制作集団・空族が構想10年をかけて制作した映画「バンコクナイツ」。タイ・ラオスを縦断した一千里、約4000キロのオールロケ。それはタイの首都バンコクの日本人専門の歓楽街タニヤ通りから東北部イサーン地方、雄大なるメコン川のほとりの国境の街ノンカーイまで、さらには国を越えてラオスの秘境までに至る空族撮影隊が辿った果てなき旅路でもあった。旅を続けながら映画を撮り、次第に映画そのものが旅となっていく。回り続けるキャメラは必然的に東南アジアの戦争の歴史を浮き彫りにし、そこで生きる人々の抵抗の輝きをも映し出す。現地の人々が役者として出演し、さらにはスタッフとして一緒に仲間となって一本の映画を生み出していく空族の制作スタイルも垣間見られる。