監督、脚本、製作、編集
インドの繊維工場の過酷な労働を驚異的な音響と映像美で描き出し、世界中の映画祭で話題を集めたドキュメンタリー。著しい経済成長を遂げたインド北西部のグジャラート州。巨大な繊維工場では、グローバル経済の名の下で労働力の搾取が公然と行われていた。2017年の山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション部門において、「機械」のタイトルで上映された作品。監督はカルフォルニア芸術大学で学んだインドの新鋭ラーフル・ジャイン。
ストーリー
今日、著しい経済成長を遂げているインドの北西部グジャラート州。カメラは巨大な繊維工場の劣悪な環境で働く労働者たちの姿を捉える。その中には幼い子供の姿も見える。あからさまな労働力の搾取。グローバル経済の下で公然と進行する労使の不平等。出稼ぎ工場労働者を酷使する厳しい労働状況を告発する一方で、流麗なカメラワークによって映像はあたかも宗教画のような美しさを漂わせる。さらに、その映像を凌駕する圧倒的なまでの音響。作業機器から発せられる音の反復とその独特のうねりには、高揚感すら覚えるに違いない。高精細・高解像度で構築されたオーディオ・ヴィジュアルは、嗅覚や皮膚感覚まで刺激するかのように見る者の体感に訴える。1895年、リュミエール兄弟が『工場の出口』を発表して以来、映画は工場を捉えてきた。絶えず“労働”と“人間”の関係を問い続けてきたともいえる映画の歴史に、本作はどのように位置づけられるのか?“記録”と“芸術”の境界を探求する新鋭ラーフル・ジャイン監督による問題作。
スタッフ
製作
タナシス・カラタノス
製作
イッカ・ヴェファカラハティ
撮影
ロドリゴ・トレホ・ヴィラヌエバ
編集
ヤエル・ビトトン
録音
エイドリアン・バウマイスター
サウンドデザイン
スミト・“ボブ"・ナート
カラリスト