1953年のH=G・クルーゾー監督作を「エクソシスト」のウィリアム・フリードキン監督がリメイクしたサスペンスのオリジナル版。南米奥地の油田で大火災が発生。4人の犯罪者が高額報酬や旅券と引き換えに消火に使う爆薬ニトログリセリンの運搬にあたる。1977年6月に北米で公開、それ以外の地域では監督に無断で約30分カットされた92分の短縮版が配給された。長らく権利者不明の状態にあったが、2011年、フリードキン監督自らスタジオ2社を提訴し、権利者を特定。4Kデジタル修復された121分オリジナル完全版が2013年のヴェネツィア映画祭でのプレミア上映を皮切りに各地で上映。
ストーリー
南アメリカの奥地にある油田で爆発が発生したとの知らせが、300キロ離れた小さな村ポルベニールに入ってくる。反政府派ゲリラによるものと思われ、多数の犠牲者も。油田火災を鎮火するには爆薬による爆風に頼るしかないものの、石油会社の倉庫にあった40ダースものダイナマイトはゲリラに奪われていた。残ったニトログリセリンを道なき道300キロ運ぶ以外に方法はない。高額の報酬と国外へ出られる旅券がかけられ、この危険な液体をトラックで運搬する者が募られた。選ばれたのは、ドミンゲス(ロイ・シャイダー)、セラーノ(ブルーノ・クレマー)、カッセム(アミドゥー)、そしてマルケス(カール・ジョン)の4人。2台のトラックにニトログリセリンが積み込まれ、出発の準備が進められる。しかしマルケスはニーロ(フランシスコ・ラバル)に殺され、マルケスの代わりとしてトラックに乗りこむ。実はニーロの正体は殺し屋であり、ドミンゲスもアメリカで銀行強盗、セラーノはパリの銀行で不正を働き、カッセムはパリで爆破事件をおこした爆薬のプロという、犯罪者たちだった。でこぼことした道なき道を進んでいく4人。彼らを待ち受ける運命とは……。
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