無償で子どもに食事を提供するこども食堂を舞台に、子どもたちを取り巻く環境を見つめた物語。親から虐待された過去を持ち、今は社会福祉士を目指して夜間の大学に通う滝本千晶は、ボランティアを務めるこども食堂で、様々な問題を抱えた子どもたちに出会う。「少女」の川上麻衣子、『ひよっこ』の柴田理恵が特別出演。
ストーリー
かつて親から虐待を受けながらも、子どもシェルターや自立援助ホーム、NPOなど、多くの人に支えられて立ち直った滝本千晶。20歳になった今、彼女は社会福祉士を目指して夜間の大学で学ぶ一方、こども食堂のボランティアスタッフを務めていた。今やこども食堂は、単なる貧困家庭や孤食の子に食事を提供するだけでなく、問題を抱えた子どもたちと地域や社会を結び付ける重要な場としての役割が求められていた。千晶の目には、夕食に訪れる子どもたちが多くの問題を抱えているように見える。その中には、腕に痣のある小学生や児童養護施設に入っていたことを笑顔で話す中学生、子育てに苦悩するシングルマザーの姿もあった。誰もが毎日生きることに苦しみながらも、そこから抜け出す手段を知らず、自分のことを話そうともしない。どこか陰のある子どもたちに優しく声をかけ、自分の体験を生かして会話する千晶。そんな千晶の心を癒すのは、こども食堂の近所にあるアクセサリーショップ。商品を見たり、オーナーと話したりすることで、別世界に触れ、千晶の心は安らぐのだった。そんなある日、千晶は里親の元で暮らす1人の少年の悩みを聞く。自分を生んだ母親が見つかり、会いたいというのだ。そんな少年に言葉をかける千晶。少年はどう行動するのか。同じ頃、千晶にも縁を切ったつもりでいた父親が行方不明との連絡が入り、その心は揺れる……。
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