監督
国家権力の中枢によるスパイ捏造の真相を追ったドキュメンタリー。2013年、ソウル市の公務員が北朝鮮のスパイとして拘束された。しかし、国家情報院が提示した証拠は彼の妹の自白証言だけ。そんななか、情報院の協力者が証拠書類の捏造を暴露し、自殺を図る。監督のチェ・スンホは、公営放送局MBCの名物ジャーナリストだったが、2012年にMBCを不当解雇されたのち、オルタナティブメディア『ニュース打破(韓国探査ジャーナリズムセンター)』で調査報道を続け、本作と「共犯者たち」を発表した。
ストーリー
2013年、韓国。脱北者でソウル市の公務員だったユ・ウソンが“北朝鮮のスパイ”として拘束された。だが、大統領直属の情報機関・国家情報院が提示した明白な証拠は彼の妹の自白証言だけ。疑念を抱いたチェ・スンホ監督は、自身が立ち上げた新メディア『ニュース打破』取材班とともに動き出す。そんなある日、国家情報院の協力者が証拠書類の捏造を暴露し、自殺を図る。さらに被害者は脱北者だけではなかったことが判明。韓国・中国・日本・タイ……粘り強い追跡取材を敢行するなか、40年間途切れることなく続いてきた国家権力の中枢によるスパイ捏造の深い闇へと切り込んでいく……。