津軽三味線を全国的に広めた初代高橋竹山の足跡を辿るドキュメンタリー。幼少期に視力をほぼ失い、生きていくために三味線と共に歩んだ竹山の人生や心模様を、残存する映像や竹山を知る人々の言葉、津軽の風習や暮らしの様子を交えながら浮かび上がらせる。監督は「スケッチ・オブ・ミャーク」で第64回ロカルノ国際映画祭批評家週間部門批評家週間賞・審査員スペシャル・メンション2011を受賞した大西功一。2018年11月3日より青森松竹アムゼ、シネマヴィレッジ8・イオン柏にて先行ロードショー。
ストーリー
津軽三味線の大家、初代高橋竹山。明治43(1910)年6月、青森県東津軽郡中平内村(現・平内町)に生まれた彼は、幼少期に麻疹をこじらせ、視力の大半を失ってしまう。庶民の暮らしは貧しく福祉の調っていない時代に、生きていくために三味線を習い、北東北の過酷な環境の中、門付けをしながら彷徨った。津軽の匂い(カマリ)が湧き出るような音を出したいと語った竹山。残存する映像や音声、生前の竹山を知る人々の交えながらその足跡を辿るとともに、今も残る津軽の風習や文化、人々の暮らしにカメラを向け、竹山の音のバックグラウンドにあるであろう津軽の原風景を浮かび上がらせる。