常に挑戦を続ける破天荒なボクサー、山口賢一の姿を追ったドキュメンタリー。大手ジムに所属していた山口は、実績を残しながらもタイトルマッチの機会が得られなかったことから、日本ボクシングコミッションに引退届を提出し、戦いの場を海外に移すが……。メガホンを取ったのは、「南京 引き裂かれた記憶」の武田倫和。2018年10月20日よりシネ・ヌーヴォ(大阪)を皮切りに全国順次公開。
ストーリー
大阪帝拳に所属するボクサーの山口賢一は、10連勝を達成しながらも、なかなかタイトルマッチを組んでもらえず、苛立ちを覚えていた。業を煮やした彼は、JBC(=日本ボクシングコミッション)に引退届を提出。戦いの場を海外に移すと、当時JBC非公認の団体WBOに挑戦し、アジア太平洋スーパーバンタム級暫定王者となる。続いて、メキシコで日本人初のWBO世界タイトルマッチにも挑戦。だが、世界フェザー級王者オルランド・サリドを相手に、11ラウンドKO負けを喫する。2013年、同じくJBCに引退届を提出した盟友・高山勝成をサポート。高山はメキシコで当時JBC非公認だったIBF世界ミニマム級王者に挑戦し、見事王座に輝いた。しかし同年、JBCがWBO、IBFの2団体を承認したため、山口は次のリングを求めることになる。海外で経験を積み、日本ボクシング界の現状に疑問を抱き始めた山口の胸には、自分の経験と考えを日本に持ち帰りたいという思いが芽生えてゆく。そんな折に舞い込んできた日本での東洋太平洋タイトルマッチのオファー。これを機に、舞台を日本に移そうと考えた山口に突き付けられたタイトルマッチ挑戦の条件は、JBCへの復帰だった。日本ボクシング界の変革と、自身の世界タイトルマッチ再挑戦のため、山口はかつて袂を分かった大阪帝拳およびJBCとの話し合いに向かう……。