マーシャ・ティモシー
マルリナ
2017年東京フィルメックス最優秀作品賞を受賞したインドネシアのアクション映画。7人の強盗団に襲われた未亡人マルリナは、毒入りのスープで手下を殺し、首領マルクスの首を剣ナタで斬り落とす。翌日、マルリナはマルクスの首を提げて警察に向かう……。監督は、「愛を語るときに、語らないこと」がサンダンス映画祭に出品されたモーリー・スリヤ。第70回カンヌ国際映画祭監督週間上映作品。
インドネシアの僻村の一軒家で静かに暮らす未亡人マルリナ(マーシャ・ティモシー)のもとにバイクに乗った男が訪ねてきて、あと30分で仲間が来て、マルリナの金と家畜を奪い、彼女を抱くと告げる。その夜、料理を作るよう命じられたマルリナは、毒の実を混ぜた鶏のスープを振る舞う。口にした男たちが次々と倒れるなか、別の部屋で寝ていた首領マルクス(エギ・フェドリー)にも食事を勧めるが、逆に襲われてしまい、マルリナは脇にあった剣ナタをマルクスの首に振り下ろす。翌日、マルクスの首を提げたマルリナはバスで警察に行こうとして、出産を控え夫に会いに行く友人ノヴィ(パネンドラ・ララサティ)と出会う。乗車を拒む運転手にマルリナは剣ナタを突き付け、ノヴィと、甥の結婚式に馬を届けるという男女の4人で旅立つ。そのころ、別行動をしていた強盗団の手下ニコとフランツ(ヨガ・プラタマ)がマルリナの家に戻り、仲間たちの死体を発見する。二人はマルクスの首を取り返そうとバスを奪い、ノヴィたちを人質に取るが、マルリナは馬を駆って警察署に向かっていた。マルリナは警察署に着くと、少女に呼び止められる。亡くなった息子と同じ名前の少女トパンに首の入った箱を預け、警察署で事情を打ち明けるマルリナ。外では追ってきたニコが様子を伺っていた。「警察が動くには証拠が必要だ。検査器具が届くのは来月。自分で医者に行くか?」とにべもない答えに、マルリナは涙を流す。フランツたちが殺した運転手の死体を埋めている隙に、ノヴィたちはバスを奪って逃げ出す。ようやく会えた夫は、「赤ん坊が生まれないのは浮気のせいだ」と彼女を突き放す。追ってきたフランツはノヴィを人質にして、電話でマルリナに首を持って帰るよう伝える。夜、マルリナから首を取り返したフランツは、ノヴィに食事を作らせ、マルリナは自分といるよう命じる。やがて、寝室からマルリナの悲鳴を聴いたノヴィは意を決して助け出そうとするが、出産のときが近づいていた……。
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