沖縄テレビ放送の開局60周年を記念して製作されたドキュメンタリー。第38回「地方の時代」映像祭グランプリに輝いた『菜の花の沖縄日記』に未公開シーンを加えた劇場版。石川県から来た15歳の少女の目を通して、戦争が尾を引く沖縄の現実を映し出す。監督は同局のキャスターを務める平良いずみ。「空飛ぶタイヤ」など数々の作品で活躍する俳優の津嘉山正種が語りを務めている。
ストーリー
沖縄の言葉ウチナーグチには、悲しい”という言葉はない。それに近い言葉は“肝(ちむ)ぐりさ”。意味は“胸を痛める”。人の痛みを自分のものとして胸を痛め、辛い思いをしている人と一緒に悲しむ。それが沖縄の“ちむぐりさ”。そんな沖縄に、1人の少女がやってきた。北国・石川県の能登半島で生まれ育った坂本菜の花さん。15歳の彼女が通うのは、フリースクール・珊瑚舎スコーレ。既存の教育の枠に捉われない個性的な教育と、お年寄りも共に学ぶユニークな学校だ。70年あまり前の戦争で学校に通えなかったお年寄りとの交流を通して、彼女は沖縄で今なお戦争が続いていることを肌で感じとっていく。次々に起こる基地から派生する事件や事故。それとは対照的に流れる学校での穏やかな時間。こうした日々を、彼女は故郷の北陸中日新聞で『菜の花の沖縄日記』と題したコラムに書き続けた。“おじぃ なぜ明るいの?”。疑問から始まった日記は、菜の花さんが自分の目で見て感じることを大切に、自分にできることは何かを考え続けた旅物語だった。少女が見た沖縄の素顔とは……。
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