京都でワナ猟師をする千松信也の猟期に密着した、2018年放映のNHKドキュメンタリー番組『ノーナレ「けもの道 京都いのちの森」』の映画版。300日にわたり追加取材を行い、約2年間の映像を編集し直し、命と向き合うために千松信也が選んだ営みにさらに迫る。「宮本から君へ」などに主演する俳優・池松壮亮がナレーションを語りおろした。「鹿鳴館」をはじめとする市川崑監督作品やNHK番組『その時歴史が動いた』テーマ音楽を手がけてきた作曲家・ピアニストの谷川賢作が音楽を担当。
ストーリー
京都、コンビニもほど近い街の山。昼食・インスタントラーメンを作るため、わな猟師の千松信也は自分で獲ったイノシシを薪ストーブで煮込み、スープに。薬味は、子供たちが畑で摘んだネギ。仕上げに、飼っている鶏の卵を落とした。家のまわりのものだけで作る食事。命を食べ、命に変えている。千松信也は京都大学文学部在籍中に狩猟免許をとり、先輩猟師から伝統のくくりわな猟、無双網猟を学んだ。現在は、運送会社で働きながら京都の山で猟をしている。広大な山の中、直径たった12cmのわなで、まだ見ぬ獲物と知恵比べする。イノシシやシカをわなでとらえ、木などで殴打。捕らえられてもなお牙を鳴らし、荒い鼻息で抵抗するイノシシを制し、ナイフでつく。命を奪うことに慣れることはない。命と向き合うために千松が選んだ営みに、カメラは迫る。
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