ホン・サンス監督が2018年に発表した監督第22作となる中編映画。ホン・サンス監督と公私にわたるパートナーである女優キム・ミニとの5本目のコラボレーション作品。ミニマルな音楽使いが多い同監督作のスタイルとは違い、シューベルトやワーグナーなどのクラシック曲がBGMとして多彩に使用されている。第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部門でプレミア上映され、日本では第19回東京フィルメックスで監督第23作『川沿いのホテル』(2018)とともに上映された。東京都墨田区の映画館Strangerにて開催のホン・サンス特集(2024年7月5日~18日)にて日本劇場初公開。
ストーリー
ある路地裏の喫茶店。何組かの男と女が言葉を交わしている。そのほとんどは俳優や作家たち。自殺した女性のことを話す売り出し中の俳優とその友人女性、若い後輩女優に家の一室を貸して欲しいと頼むベテラン俳優。若い脚本家に数日間一緒に同じ部屋で共作しないかと持ちかける脚本家。そんな会話を聞きながらパソコンに向かう女性のもとへ、彼女の弟が年上の恋人を連れて現れる。店内では、身勝手でたわいもなく気恥ずかしい会話が続いていく。