ロチ
老人
第12回東京フィルメックスでグランプリを受賞した、「羊飼いと風船」のペマ・ツェテン監督による劇場未公開作品。1990年代末、中国富裕層の間で起きたチベットのマスチフ犬ブームを背景に、経済発展がチベット高原の牧畜民の生活に入り込んでくる様を描き出す。2021年3/13から開催されるチベット映画の特集上映「映画で見る現代チベット」にて上映。
チベット高原。広々とした草原に暮らす牧畜民の老人(ロチ)は老マスチフ犬を飼っている。だが、中国の富裕層に起きたマスチフ犬ブームによって、犬泥棒が現れたり、しつこく付きまとう仲買人がやって来たり、老人は心の休まる暇がない。そんなある日、老人の息子(ドルマキャプ)は大金を得ていい暮らしがしたいと、犬を高値で売り飛ばそうとする。老人は「犬は民族の誇り」と手放すことを頑なに拒むのだが……。
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