ジーン・レイモンド
Michael
「青春萬歳」「薔薇色遊覧舩」のジーン・レイモンド、「1936年の大放送」のウェンディー・バリー、「トップ・ハット」のヘレン・ブロデリックが主要なる役を努める映画で、ケネス・アールの原作を「愛情無限」のP・J・ウルフソンがフイル・G・エプステインと協力して脚色し、短篇映画および活劇物の監督たりしレイ・ジェイスンが監督にあたり、「乙女よ嘆くな」のロバート・デグラスが撮影したもの。助演者は老ウィリアム・コリアー、ウォルター・ジョスン等。
牛肉成金カールトンの甥であるマイケル青年は芝居熱に浮かされて、友人ステファンの書いた芝居をぜひとも興行したいからといって、伯父に1万5千ドルの出資を頼む。ところがその芝居たるや、下着1枚に無一文でニューヨークのセントラル・パークを出発した若い男が、10日目に3千里も離れたロサンゼルスに到着し、しかも新調の服に現金100 ドルを持ち、おまけに婚約の少女を携えているという筋である。伯父はマイケルの熱心は買ったがそんなあり得べからざる筋の芝居を後援はできないというので、マイケルは果してあり得ないかどうか伯父と賭をすることになった。賞金は1千5百万ドル。彼は芝居の筋書きどおり下着1枚でニューヨークの公園を出発した。ちょうど付近の邸内で夜会が行われていた。そこでウォーレスという富豪がポーラ・ギルバードという美しいしかし貧しい娘に求婚していた。マイケルは邸内に紛れ込んでウォーレスの夜会服を剥ぎ取って自分の身につける。ウォーレスは下着1枚の醜態を露わしポーラの不興をかった。マイケルは西へ西へと進むうち、ポーラが叔母シャーロットと自動車旅行をしているのに会う。シャーロットはぜひとも姪と金持ちのウォーレスの仲を復活させたいとロサンゼルスへ向かう途中だった。マイケルはいろいろと策を用い首尾よくその自動車に乗せてもらった。西へ旅が重なるにつれ、マイケルとポーラは互いに憎からず思うようになるが、叔母は彼を宿無しの浮浪者と思い込んでいるし、彼も素性を明かさないので2人の恋仲はなかなか思うように進まなかった。日は次第に経っていくが新調の服も100 ドルの金もできない。そのうち約束の10日目が近づいてきた。ここでマイケルは畢生の知恵と勇気をしぼり、苦心惨憺のあげく、ついにポーラに婚約の許しを得た上、新調の洋服を身につけ、現金100 ドルを持ってめでたく伯父に対面し、1千5百万ドルの懸賞金とポーラの愛を勝ち得た。
Michael
Paula
Aunt_Carlotte
Uncle_Carlton
Stephan
Jackson_Wallace
Donovan
Morton
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