チャールズ・モートン
Pal_Loring
「悲恋の楽聖」「近代恋愛ごっこ」と同じくアラン・ドワン氏の監督作品でエドウィン・マーシャル氏の原作をウォルター・ウッド氏が改作し、シートン・I・ミラー氏が脚色したもの。主役を演ずるは「クリスティナ」「四人の悪魔」のチャールズ・モートン氏と「大驀進」「バウラー」のリーラ・ハイアムス嬢、助演者としてアーサー・ストーン氏、ダン・ウォルハイム氏、アイヴァン・リノウ氏その他が出演している。キャメラは「ニューヨークの波止場」「レナ・スミス」のハロルド・ロッソン氏が担任。
パル・ローリングは海洋冒険家であった。友のストーカーソンと共に彼はベーリング海のセント・ポール島でのアザラシの捕獲をひそかに計画した。その島はアメリカの領土で密猟者を防ぐためラーセン船長以下の者が守備隊として派遣されていた。したがって彼は多数の無頼漢をあつめその守備隊を襲撃して目的を達する覚悟で出帆した。島へ到着してみるとパルは美女ヒルダに会った。ヒルダはラーセンの娘であった。彼女を知り、またその島こそはパルの今まで知らなかった生まれ故郷であり、彼の今は亡き父親が同島で神の如く崇拝されていたことなどを知るや彼の心は自ら昂ぶってゆくのであった。一方、ロンドン・ニックと異名をとった悪漢はパルを裏切り者と罵り、乗組員を煽動し、暴力を以って守備隊員及びパルを捕らえ牢獄に監禁し、あまつさへヒルダを犯さんとした。その危ない瞬間、忠実な中国人コックの奇計によってパル一同は牢獄を脱れ出ることを得、村民の助力によって暴徒に逆襲した。数時間にわたる大乱闘の末、ついに暴徒は全滅し、ロンドン・ニックもパルの一撃にひれ伏して島はもとの平和にかえった。かくてヒルダはパルの腕に抱かれた。
Pal_Loring
Hilda_Larsen
Schmidt
Blak_O'Neil
Red_Dunkirk
London_Nick
Captain_Storkerson
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