キム・ミニ
ガミ
韓国のホン・サンスが公私にわたるパートナーのキム・ミニと7度目のタッグを組み、2020年ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を獲得した話題作。夫の出張中に5年間の結婚生活で初めて独りになった女性がソウル郊外に暮らす3人の女友だちと再会を果たす。静かで穏やかな空間のなか、交される何気ない昔話。その会話に隠された女たちの本心とは……。愛について、結婚について、揺れ動く女性心理が、ユーモラスにスリリングにあぶり出される。ホン・サンス×キム・ミニ作品は、2015年の「正しい日 間違えた日」(ロカルノ国際映画祭グランプリ受賞)を皮切りに、2017年の「クレアのカメラ」「夜の浜辺でひとり」(ベルリン国際映画祭銀熊賞<主演女優賞>受賞)「それから」(カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品)、2018年の「草の葉」(東京フィルメックス招待作品)「川沿いのホテル」(東京フィルメックス開幕作品)と続き、本作をはさんで、2021年の“INTRODUCTION”(ベルリン国際映画祭銀熊賞<脚本賞>受賞)まで8本が作られている。また、本作にはソ・ヨンファ、クォン・ヘヒョ、「はちどり」でヨンジ先生を演じたキム・セビョクなど、ホン・サンス映画おなじみの実力派が出演している。
5年間の結婚生活で一度も離れたことのなかった夫の出張中、初めてひとりになった主人公ガミは、ソウル郊外の3人の女友だちを訪ね、再会する。バツイチで面倒見のいい先輩ヨンスン、気楽な独身生活を謳歌する先輩スヨン、そして偶然再会した旧友ウジン。行く先々で、「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」という夫の言葉を執拗に繰り返すガミ。穏やかで親密な会話の中に隠された女たちの本心と、それをかき乱す男たちの出現を通して、ガミの中で少しずつ何かが変わり始めていく。
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