カレン・ヤング
Kathleen
暴行されたヒロインが復讐のために内気な女から強い女へと変わってゆく姿を描いたアクション映画。製作・監督・脚本はトニー・ガーネット、撮影はチャールズ・スチュワート、音楽はマイク・ポスト、編集はウィリアム・シャプターが担当。出演はカレン・ヤング、クレイトン・デイほか。
テキサス州ダラス。陽光あふれるこの地に、希望をもってやってきたキャスリーン(カレン・ヤング)は、地元の高校の歴史の教師として新しい生活をスタートさせる。ある日、同僚のナンシー(スージー・ハンフリーズ)の家に招かれたキャスリーンは、ナンシーの夫チャック(ベン・ジョーンズ)と同じ法律事務所に勤める弁護士のラリー(クレイトン・デイ)を紹介される。ラリーは拳銃マニアで、所属するガン・クラブでも、一、二の腕を誇るたくましい西部男。彼に興味をもったキャスリーンは、学校での特別講義を彼に頼み、ラリーが彼女を農業祭に誘い、2人の交際が始まった。が、2人の心は微妙にズレていた。友人としてつき合いたいと思っているキャスリーンの心情とは裏はらに、ラリーは恋人気どりで、強引に押しまくる。段取り通りに、自宅に呼びワインでムードを作ってソファでキャスリーンにキッスを迫る彼。彼女に拒絶されてカッとなったラリーは、ピストルで威嚇してキャスリーンを強姦してしまう。怒りに震えたキャスリーンは、警察に直行するが事情を聞いた係官は病院での検査を受けさせただけで捜査に乗り出そうとしない。レイプ相談所でも、それがレイプと立証されないことを断言され苛立ったキャスリーンは、ついに1つの結論に辿りついた。自らで彼に復讐するしかない、と。彼女の顔から笑顔が消えた。長かった髪を切り、ナンシーや他の同僚とも言葉を交わさなくなり、ひたすら、拳銃の上達に励んでいた。そしてある夜、黒の上下に身を包んだキャスリーンは、人気のないガン・クラブにラリーを呼び出した。現われたラリーに銃口を向けるキャスリーン。数発か放たれるが、いずれも的ははずされた。やはり彼女にはラリーを撃つことはできなかったのだった。
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