マシュー・モディン
Birdy
60年代のフィラデルフィアを舞台に、鳥になることを夢みる青年と、彼を見守る友の友情と愛憎を描く。製作は「アナザー・カントリー」のアラン・マーシャル、エグゼクティヴ・プロデューサーはデイヴィッド・マンソン、監督は「シュート・ザ・ムーン」のアラン・パーカー。ウィリアム・ワートンの同名小説を基にサンディ・クループとジャック・ベアーが脚色。撮影はマイケル・セラシン、音楽はピーター・ガブリエル、編集はゲリー・ハンブリングが担当。出演はマシュー・モディン、ニコラス・ケイジ、ジョン・ハーキンスなど。
泥沼のベトナム戦線から1人の若者が本国へ帰還した。アル・コランバトー(ニコラス・ケイジ)--彼は地獄の戦火の中で顔面に重傷を負っている。彼は一路、故郷フィラデルフィアに近い海軍病院へ向かい懐かしい顔と再会した。バーディ(マシュー・モディン)--アルとは子供の頃からの親友だ。だが、バーディは檻のような精神病棟の中で、鳥のように身をすくませていた。前線で精神錯乱を起こした彼を、友の呼びかけで正気に立ち戻らせられないかという、担当医師ワイス博士(ジョン・ハーキンス)の考えだった。アルは物言わぬ親友に必死に呼びかけた、「バーディ、俺の前で芝居はよせ!」。しかし、バーディのおびえを含んだ虚ろな瞳は、1日中格子窓を見上げたままだったー。2人が初めて出逢った時から、アルにとってバーディは世話の焼けるヤツだった。バーディはひたすら鳥になりたいと考えている少年だった。ある時、2人は町中の土鳩を捕まえ、伝書バトにして売って小遣いを稼ごうとした。だが度が過ぎて、バーディは工場の屋根から落下。しかし、落下しながらバーディは初めて「飛ぶ」という感覚に目覚めた。2人は何から何まで対照的な親友だった。スポーツマンで女のコに積極的なアル。人付き合いが下手で、自分の世界に閉じ込もりがちなバーディ。バーディは手製の翼を作り、アルの協力で試験飛行に成功したりもした。そんなある日、バーディはペット屋で可愛いカナリヤを買った。以来、パータと名付けたカナリヤは、バーディの「恋人」になった。鳥小屋に裸のままで入ったバーディは、パータを肩に乗せ横になる。いつしか夢と現実の境界がバーディの感覚から消えていった。彼は鳥になった。鳥になって空を、自由に飛翔した。「飛んだんだ、本当に飛んだんだ!」。バーディの言葉に、しかしアルは首を横に振るばかりだった。やがて、アルがベトナム戦争へ出征する日がやって来た。部屋の窓から去りゆく友を見つめるバーディ。突然、パータが飛び出し、町中を飛翔した。しかし、部屋に戻った時、激しく窓にぶつかり、絶命した。愛するものを一挙に失ったバーディの鳴咽がいつまでも続いた…。そして、バーディもベトナムヘ。地獄の戦場の中で傷ついたバーディは、ふと空を見た。自由に飛びまわる鳥たち。その時、バーディは、鳥になった--。錯綜する回想の申で、友を想うアルの必死の呼びかけが続いた。だが、バーディは部屋の隅に鳥のようにうずくまるだけだった。そんな2人の姿を献身的に見つめる看護婦の ハナ(カレン・ヤング)。バーディの症状について激しくわたりー合うアルとワイス博士。「話せよ、バーディ!」やがて、精も魂も尽き果てたアルはバーディを抱きしめたー「俺たちの負けだ」。ワイス博士は、治療を断念、2人を引き離そうとした。その時、「アル!」あのなつかしいバーディの声がアルの耳に飛び込んで来た。正気に戻ったのだ。しかし、ワイス博士は信用しない。アルは看護人から逃れるために、バーディの手を引き屋上に駆け上った。バーディの頭上に、青い空が広がっている。突然、バーディが飛び降りた。悲鳴をあげてかけ寄り下をのぞくアル。だが、そこには、一段低くなったもう一つの屋上に立って、ニッコリ笑うバーディの笑顔があった。
Birdy
Al_Columbato
Doctor_Weiss
Mr._Columbato
Mario_Columbato
Hannah_Rourke
Renaldi
監督
脚本
脚本
原作
製作
製作総指揮
撮影
音楽
編集
衣装デザイン
字幕
[c]キネマ旬報社