写真家・瀬戸正人の自伝エッセイを写真家の小林紀晴が映画化したドキュメンタリー。タイで生まれたトオイは8歳のとき、残留日本兵だった父とともに福島へ渡る。正人と名前を変えた彼は写真家となり、自分の中に眠るトオイを探して、タイやラオスへ旅に出る。ナレーションは、「やがて海へと届く」の鶴田真由。
ストーリー
写真家・瀬戸正人の自伝エッセイ『トオイと正人』の映画化の了承を本人から得た写真家・小林紀晴は、瀬戸とともに東日本大震災の原発事故の大きな被害を受けた福島県浪江町へ行き、その後、タイ、ラオスに向かう。昭和17年、福島県に生まれた瀬戸の父・武治は出征し、中国、ベトナムを経て、終戦をラオスで迎える。そのまま帰国せず、残留日本兵となった数年後、メコン川を渡り、タイのウドンタニという小さな町でベトナム人になりすまし暮らし始める。やがてベトナム系タイ人の女性と結婚し、トオイが生まれる。さらに現地で写真館を始めた武治はその後、葛藤の末に日本大使館に自らが残留日本兵であることを名乗り出る。トオイは8歳のとき、武治の帰国にあわせて日本へ渡り、武治は故郷・福島県で写真館を再建する。トオイは名前を日本名・正人に変え、20歳になると家業である写真館を継ぐために東京の写真専門学校へ進む。そこで森山大道と出会った正人は、家業を継がずに写真家を目指し、28歳でバンコクへ渡り、カメラを携えてウドンタニへ旅立つ。きっかけは、写真家・東松照明の写真集『太陽の鉛筆』だった。ページをめくると南シナ海とインドシナ半島の地図が広がっていた。8歳でタイを離れて20年の月日が経つなか、かつて自分が過ごした町を訪ね、記憶や言葉を取り戻したかった。やがて、正人の中に眠るトオイが静かに目覚める。さらに父の記憶を追い、メコン川を渡る……。
キャスト
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 製作年
- 2023年
- 製作国
- 日本
- 配給
- Days Photo Film=プレイムタイム
- 初公開日
- 2023年3月25日
- 上映時間
- 63分
- 製作会社
- Days Photo Film(企画協力:プレイスM)
- ジャンル
- ドキュメンタリー
[c]キネマ旬報社