リン・カーリン
Lynn_Tyne
娘の家出騒動を中心に親子の断絶をユーモラスに描いた作品。製作はアルフレッド・W・クラウン、監督はチェコスロバキアの新人ミロシュ・フォアマン、脚本はジョン・ガーレ、ジャン・クロード・カリエール、ジョン・クラインの共同執筆、撮影はミロスラフ・オンドリチェク、編集はジョン・カーター(2)が各々担当。出演は「顔」のリン・カーリン、「卒業」「キャッチ22」などのシナリオを担当したバック・ヘンリー、新人リニア・ヒーコック、ジョージア・エンゲル、トニー・ハーヴェイ、オードラ・リンドリー、ポール・ベネディクトなど。翻訳は高瀬鎮夫。
ニューヨーク郊外に住むラリー・タイン(バック・ヘンリー)は、そろそろくたびれかけた中年のサラリーマンである。ラリーの娘ジーニイ・タイン(リニア・ヒーコック)が、イースト・ビレッジでロック歌手のオーディションを受けていた頃、母親リン・タイン(リン・カーリン)は、黙って出て行った娘の行方を探して気がふれたようになっていた。ただジーニイは“マイク恐れ”のために簡単にオーディションに落ちてしまった。ラリーとリンは親友のトニー(トニー・ハーヴェイ)とマーゴット(ジョージア・エンゲル)夫妻と相談し、ラリーとトニーが警察へ捜索願いを出すべく出かけた。マーゴットとリンが猥談に花を咲かせているとジーニイが呆然として戻ってきた。そこへラリーがトニーと酔っ払って戻ったうえジーニイを殴りつけ、ジーニイはまた家を飛び出してしまった。翌日、ラリーはイースト・ビレッジへ娘を捜しに行った。立ち寄ったスナックで、ジーニイの写真を見せたが、女主人は写真を見もしないで、そばの箱に投げ入れた。箱には家出した子供を捜す親たちが預けた写真がたくさん入っていた。ラリーは何気なく写真を見ていて、ボックスに3人連れの男といる若い女が、写真の中の1人であることに気づいた。写真にあった連絡先に電話し、アン・ロックストン夫人(オードラ・リンドリー)が駆けつけた時には娘が男たちと店を出た後だった。夫人とラリーは、逃げ出した娘を追ったがとうとう見失ってしまった。ラリーは夫人から“家出した子供たちの親の会”なるものの存在を知らされ、早速入会を決めた。ジーニイが万引きで逮捕されたという連絡で警察へとんだタイン夫妻は、人違いとわかって一安心。もっと気楽に考えようというラリーの提案で保養ホテルに泊まり込んだ2人は、ナイトクラブで、ようやく息を抜いた。町へ帰った2人は、アンと夫君のベン(ポール・ベネディクト)と一緒に“親の会”へ出席し、子供を理解するためと称する会では、その道のベテラン、スキャベッリが親たちにマリファナの吸い方の講習会をやり出した。中には恍惚として歌い出す婦人も現れた。会の後、タイン夫妻もロックストン夫妻を招き、マリファナの余韻を楽しみながら、酒を飲み、ストリップ・ポーカーを始めた。リンは胸をはだけ、ラリーはとうとう丸裸になってしまった。なおも負けたラリーは両手で前を隠してテーブルの上に立って歌い出した。ところが、ふと見上げたラリーの眼に、2階のバルコニーで呆然と立ち尽くしたジーニイの姿が写った。シラけたロックストン夫妻はそそくさと帰っていった。ラリーは父親らしく威厳を示してジーニイをたしなめ、一緒にいた男を一度夕食に招待するようにと言った。やってきたのはロックのバンドマンで長髪のジャミーという男で、すっかり驚いたリンは泣き出してしまった。ラリーは努めて平静を装い、紳士的に話し合おうとしたが、相手の収入を聞いて、またまたビックリしてしまった。酒も回りすっかり興にのったラリーは、リンのピアノ伴奏で臆面もなく歌を歌い出し、ジーニイとジャミーは床に座りぼんやりとラリーの歌いっぷりを見つめていた。
Lynn_Tyne
Larry_Tyne
Jeannie_Tyne
Margot
Tony
Ann_Lockston
Ben_Lockston
監督、脚本
脚本
脚本
脚本
製作
撮影
編集
字幕
[c]キネマ旬報社