監督
2019年、アジア屈指の名門校・香港理工大学が警察に封鎖され、要塞と化した緊迫の13日間を記録したドキュメンタリー。逃亡犯条例改正反対デモで最多となる1377名が逮捕されるなか、匿名の監督たちはデモ参加者として戦場と化した構内でキャメラをまわし続けた。2021年山形国際ドキュメンタリー映画祭で、香港映画として初の最高賞ロバート&フランシス・フラハティ賞を受賞。
ストーリー
2019年11月、逃亡犯条例改正反対デモと当局の衝突が激化を極める香港。アジア屈指の名門校・香港理工大学を警官隊が包囲し、デモ隊と学生は要塞と化したキャンパスで13日間に及ぶ籠城を余儀なくされた。警察は放水車、催涙弾を用い、場合によっては実弾も辞さないと警告した上で攻撃。デモ隊たちは火炎瓶・弓矢等をもって抵抗し、キャンパス内には火の手が上がる。やがて完全に陸の孤島と化した大学で、デモ隊は「残るか、去るか」の決断を迫られてゆく。個人情報と引き換えに投降を迫る警察。暴動罪で逮捕されれば懲役10年を課せられる恐怖と、仲間を裏切る後ろめたさは、デモ隊の心をかき乱す。ロープを使い橋から飛び降り支援者のバイクに飛び乗って脱出する者、下水道から脱出する者、最後まで大学に留まり戦い続けようとする者……。匿名の監督たちは、デモ隊と共に大学構内に留まってキャメラを回し、追い詰められたキャンパスの中の混乱を記録する。