監督、製作、撮影、編集
鳥取県の山あいにある新田サドベリースクールに密着したドキュメンタリー。子どもたちの主体性を最大限尊重し、すべてを自分たちで決め、生活のなかで学びを生み出すことを目標とした学校作りに奮闘する大人たち、子どもたちの悲喜こもごもの一年を見つめる。ナレーションは「009 RE:CYBORG」の玉川砂記子。親子をめぐる数々のドキュメンタリーを手がけてきた浅田さかえ監督による劇場デビュー作。
ストーリー
鳥取県智頭町にある新田サドベリースクールは、地域の子育て中の親たちが中心となって2014年に開校した民主主義の学校(デモクラティック・スクール)である。ここでは授業は行われず、子どもたちは朝からゲームや屋根登りに夢中。子どもの“やりたい”をいちばんに尊重するこの学び舎では、ルール作りから全体運営まですべて子どもたちが携わり、自分で考え判断し、解決する力を身につけていけるよう運営されている。学年分けもなく、サポート役の大人も“先生”ではなく“スタッフ”と呼ばれ、子どもたちによって選ばれる。今日1日、何をするのかしないのか、全部を子ども自身が決めていく。しかし、最初は楽しいが、何もしなければただ退屈な時間だけが過ぎていくだけ。子どもとスクールを信じつつも、一抹の不安は拭えない保護者たち。“黙って見守る”と“サポートする”の狭間で葛藤が絶えないスタッフたち。それでも大人たちは子どもの背中をそっと後押しする。根気のいる米作り、初めての喫茶店運営、私立中学受験への挑戦、そして、それぞれの思いが交差するスタッフ選挙……。一方、「勉強もせず遊んどるがな、大丈夫かいな」と近隣住民からは訝しげな視線も。豊かな自然の四季に囲まれながら、歩き始めて間もない学校作りに奮闘する大人たちと子どもたちの悲喜こもごもの一年を追う……。