稲村美桜子
美玖
中学生の少女が、姉や周囲の女性たちの社会進出における困難さを目の当たりにし、さらには男女の対立構造にも疑問を持ち始めて、自ら考えて行動していく様子を描いた中編映画。監督・脚本は「愛のくだらない」が田辺・弁慶映画祭にてグランプリを受賞した野本梢。出演は「アルム」「おろかもの」で主演を務めた笠松七海ほか。プロデューサーは野本監督と「次は何に生まれましょうか」(2019年/主演:根矢涼香)でタッグを組んだエイジアの稲村久美子。「女性による女性のための映画を」と始まった企画は、コロナ禍を含む2年の撮影期間で、「女性のための」と性別で区切ることを含めて検証し、作品の方向性を熟考できたと監督は語っている。
中学生になったミクは男子生徒と衝突して悔しい思いをしたことから、「強くなりたい」と、近所のお姉さんからアクションを学び始める。同じ頃、就職活動で「彼氏はいるのか」と訊かれ、OBには「女って時点で就職は不利」と言われた姉・チカがSNSで共闘をうたう女性たちに救われ、自らも動画サイトで発信を始める。そうしてミクはチカと女性の権利のため力を合わせて活動していくのだが、近所のお姉さんやミクの塾の先生の不遇が何も変わらないこと、自由気ままに生きているもう一人の姉ウナが起業に励んでいること、その後、男子生徒がミクの体調を気遣った際にそれを受け入れなかった自分のことなどに、モヤモヤを募らせていく。
美玖
睦
卯奈
葉子
萌
真零
七菜
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