氷原の彼方
氷原の彼方
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氷原の彼方

1930年公開
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かつて無声映画として製作されたことのあるジェームズ・オリヴァー・カーウッド作の大衆小説を映画化したもので、「ショー・ボート」「オフィスワイフ」のチャールズ・ケニヨンが脚色して台詞を書き、「女給時代」「大地の果てまで」のマイケル・カーティズが監督、「復活(1927)」「海の巨人(1930)」のロバート・カールが撮影した。主役は「アンナ・クリスティ」「ダイナマイト(1929)」のチャールズ・ビックフォードが勤め新進のエヴァリン・ナップが相手役で、「最後の一人」「悪に咲く華」のJ・ファーレル・マクドナルド、「モンテカルロ」「アルプスの悲劇」のザス・ピッツ、「少年軍兵士」のジュニアー・コーラン、「消え行く燈明」のデイヴィッド・トーレンス、ウォルター・マッグレイル、故トム・サンチ等が助演している。

ストーリー

西北カナダの警察事務を取る乗馬警官隊のコニストンは道案内のパトリック・オツールを伴って、殺人犯ジョン・キースを逮捕すべく北方の無人島へ向かった。座洲して打ち捨てあられた捕鯨船の中にかくれていたキースは遂にコルストンに捕らえられたが、その時オツールは足に負傷した。コニストンはキースが逃げないように、ひどくムチ打って懲らしめたが、負けじ魂の強いキースは元気を失わなかった。そしてかえってコニストンの方が風邪と凍傷とに苦しむようになった。それをきっかけとしてキースは逃げだすことに成功したが、警官達の身の上が敵ながら気がかりになるので戻ってみるとコニストンは遂に死んでしまっていた。キースが無罪の罪で追い回されていることを知っているオツールはキースにコニストンの制服を着てコニストンに変装することを勧めた。キースとコニストンは全く瓜二つだったので、キースもその気になりオツールからコニストンの生癖をおそわり、コニストンが隊長の令嬢ミリアムに求婚中であること、オツールの息子ミッキと大の仲良しであることも聞いた。かくて最寄りの駐在所に立ち寄ってコニストンに化けてキースはキースが死亡したことを報告し、オツールはそこに止まって病体を休めることとなった。逃げてしまう心算で路に迷ってキースは、捜索隊に発見されコニストンとしてその本隊に連れて行かれた。何人も彼をコニストンと信じたがミッキーだけは彼がコニストンでないことをすぐに看破した。しかし彼はキースを好きになったので秘密を守った。コニストンンを嫌っていたミリアムは帰って来たコニストンとはひとめ見た時から好きになった。ミリアムに恋している同僚のマーティンは心平かならず密かにコニストンの身元調査を始めた。そのうちキースは無罪であることが判明したが、コニストンになり済ましているキースは、オツールが証明してくれない限り今度はコニストン殺しの嫌疑を受ける立場にあった。どころが春が来てもオツールは帰って来ないで、その死亡通知がもたらされた。しかもコニストンには英国の故郷に妻子があることが、マーティンが取り寄せた戸籍の証書によって明らかとなった。隊長マクドウェルは妻ある身で人の娘に結婚を申し込むとは不届き至極と憤り、コニストンを免職し辱めて隊から追放した。キースは真実を告げればコニストン殺しの汚名を被るので、泣くに泣かれぬ立場で、去るに臨んでミリアムにだけ真実を打ち明け、ミッキーと共に北の方へ旅立った。キースを真実愛し信ずるミリアムは秘かに父のもとを去って河の辺でキースを待っていた。かくて愛する2人は氷原の彼方へ向かったのである。

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作品データ

原題
River's End
製作年
1930年
製作国
アメリカ
配給
W・B・F・N社
初公開日
1930年
製作会社
ワーナー・ブラザース映画


[c]キネマ旬報社