自宅が火事になるという身近な災害とゼロからの再起を、映画監督の原將人と妻の原まおりが記録したセルフ・ドキュメンタリー。焼け跡から救い出した8ミリフィルムに写っていた日常の記憶と被災後にスマートフォンで記録したデジタル映像を組み合わせ、過去と現在、未来をつなぎ、家族の歴史を紡いでいく。あの日あの時の、なんでもない日常の記憶が生きる力になってゆく。痛みの物語でありながら、包み込まれるような優しさと懐かしさに満ちあふれ、映画の力を見せてくれる。
ストーリー
2018年、京都の西陣にある映画監督・原將人の自宅が全焼した。家族5人は幸い無事だったものの、すべての家財道具と50年の映画人生をかけた全作品のオリジナルフィルムや脚本、機材が焼失してしまう。原將人は新作のデータを救うため火の中へ戻り、やけどを負って入院。夫を安心させようと、妻のまおりは、とっさに家族の様子をスマートフォンで撮影する。慌てて買った炊飯器で作ったほかほかのおにぎり。家族揃ってのラジオ体操。双子の妹をあやす兄。そこにあるはずのものが無い悲しみ。他人の優しさ。カメラ=母の眼差しは、非日常のなかの家族の風景をつぶさに捉えていく。屈託のない笑顔を見せる子どもたちにつられ、大人たちが前を向き始めた頃、家の焼け跡から奇跡的に生き残った「あるもの」が見つかった。
スタッフ
監督、撮影
原まおり
監督、製作、撮影、音楽
原將人
プロデューサー
有吉司
タイトル音楽
原まみや
エンディング音楽編曲・演奏
遠藤晶美
整音協力
弦巻裕
グレーディング
上野芳弘
題字
赤松陽構造
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 製作年
- 2022年
- 製作国
- 日本
- 配給
- マジックアワー
- 初公開日
- 2022年2月25日
- 上映時間
- 85分
[c]2022『焼け跡クロニクル』プロジェクト
[c]キネマ旬報社