ナタリー・ウッド
Penelope
「シルビア」のE・V・カニンガムの小説を「ベニスの出来事」のジョージ・ウェルズが脚色し、「トブルク戦線」のアーサー・ヒラーが監督したコメディ。撮影は「歩け走るな!」のハリー・ストラッドリング、音楽は「おしゃれ泥棒」のジョニー・ウィリアムス(2)が担当した。出演は「サンセット物語」のナタリー・ウッド、イアン・バネン、ディック・ショーン、アーリーン・グロンカほか。総指揮はアーサー・ロウ・ジュニア、製作はジョー・パスターナク。
ニューヨークのシティ・フィデラル銀行の副頭取のジェームズ・エルコット(イアン・バネン)は、新社屋にとりつけた、どんな強盗でも歯がたたないという最新式の防犯装置が御自慢である。そんな折も折、6万ドルの大金があっさりさらわれてしまった。この大胆不敵の泥棒は、驚いたことにエルコットの妻のピネラピ(ナタリー・ウッド)である。ピネラピが彼女の主治医のマニックス(ディック・ショーン)に告白したところによると彼女は窃盗狂であり、この奇病がはじめて起こったのは、カレッジ時代で、しつっこく追っかけまわす教授の研究室から逃げ出し、気がついてみたら、手に教授の大切な記念品をにぎっていたのである。次の病気が起こったのは、結婚パーティーの時で、エルコットに首ったけの女のネックレスやイヤリングを失敬してしまい、それからはエルコットに近づく女たちが、次々と彼女の犠牲者となったというのである。マニックスは、事件を穏便にと考え、彼女が盗んだ6万ドルを夜間預金箱に押し込んだのだが、なにぶんにも素人であり札束は預金箱からはみだしていた。それがたまたま通りかかった夜の女ローズ(アーリーン・ゴロンカ)の目にとまった。間もなくローズは警察に挙げられた。翌朝、その報告を聞いてピネラピは驚いた。夫とともに警察にかけつけ、自分が銀行強盗の犯人であることを主張したが、誰も本気にはしてくれなかった。翌日、フィデラル銀行は、またしても白昼強盗に襲われた。数刻後、ピネラピは、手の切れるような札束を持って警察に現れた。今度は警察も彼女を真犯人と認めないわけにはいかなかった。ローズは釈放された。エルコットは、仕事仕事で、ついピネラピをほったらかしにしていたことを後悔した。そして2人は、あらためて互いの愛情を確かめ合うのだった。
Penelope
James_B._Elecott
Dr._Gregory_Mannix
Lt._Bixbee
Prof._Klobb
Sadaba
Ducky
Mildred
Major_Higgins
Band Maneger
Rose
[c]キネマ旬報社