ピーター・セラーズ
Harold
テレビ『モンキーズ・ショー』で知られるポール・マザースキーとフリー・タッカーのオリジナル・シナリオを、「ニューヨークの大停電」のハイ・アヴァーバックが監督したヒッピーの生態を素材にしたコメディ。撮影は「フィニアンの虹」のフィリップ・ラスロップ、音楽はエルマー・バーンスタインが担当した。出演は、「無責任恋愛作戦」のピーター・セラーズ、テレビ「ペイトンプレイス物語」のリー・テイラー・ヤング、「暴力脱獄」のジョー・ヴァン・フリート、新星ジョイス・ヴァン・パッテンほか。製作指揮は脚本担当のポール・マザースキーとラリー・タッカーの2人。製作はエリア・カザンの前作品の共同製作者として知られたチャールズ・H・マグワイアー。
ハロルド(ピーター・セラーズ)はロサンゼンスで成功し、いまや何ひとつ不自由のない身。しいて悩みといえば、時々、憂うつ症とゼンソクに、おそわれることだった。彼のガール・フレンドは、ジョイス(ジョイス・V・パッテン)といい、1日も早く結婚したがっている。彼女の攻撃にあい、しぶしぶ結婚式の日取りを決めてしまったハロルド。ところが、ある日のこと。彼は自分の車をぶっつけてしまい貸し車を借りて帰宅した。その車がなんと、サイケ調にぬりたくられたヒッピー・スタイル。その日からハロルドは急にヒッピー熱にうかされ始めた。そんな彼を刺激したのは実弟が紹介してくれた完全なるヒッピー・ガールのナンシー(リー・T・ヤング)である。彼女の太ももには蝶の入れ墨があり、ハロルドは、日に日に彼女に惹かれていった。そしてジョイスとの婚約は解消し、ナンシーとヒッピー族の仲間に加わり自由気ままな生活を始めた。ヒッピー・スタイルも板につき、日々の冒険は彼を生き生きとさせ、そのうえ彼のアパートはLSDやマリファナを愛用するヒッピーたちのサイケな、たまり場とさえ化したのである。しかしながらハロルドは、根っからのヒッピーではない。サイケ生活にも、倦怠感が襲う。そんなハロルドをナンシーは軽蔑する。そして持病のゼンソクが、ぶりかえす。やはり年なのだろう。ついに彼はヒッピー生活から足をあらい、ジョイスとのまじめな結婚に踏み切る決心をした。その結婚式の日。なんとハロルドは姿を消してしまった。どうにかつかまったものの彼は、何処へ行くつもりかね?という質問に、何処へ行くべきかね?などと答える。どうやら彼のヒッピー病、まだ、完全に直りきってはいないようだ。
Harold
Harold mother
Nancy
Joyce
Marray
監督
脚本、製作総指揮
脚本、製作総指揮
製作
撮影
音楽
[c]キネマ旬報社