アドルフ・マンジュウ
Capel_Maturin
英文壇の新進マイケル・アーレン氏作の短編小説をフォレスト・ハルシイ氏が改作脚色し、脚色者から監督に昇進したルーサー・ルイド氏の第一回作品として監督したもの。主演者は「三日伯爵」「姫君と給仕」等主演のアドルフ・マンジュウ氏で、相手役は「ボー・ジェスト(1927)」「ジョアンの嘆き」等出演のアリス・ジョイス嬢が勤め、ノーマン・トリヴォア氏を始め新進のスーザン・フレミング嬢、フイリップ・ストレンチ等が共演している。
英国陸軍中尉カペル・マチュリンとその親友バジル・ド・グラマーシー中尉とはエリーナ・メイトランドと共に愛した。マチュリンが自分に先んじてエリーナに求婚したことを快からず思ったド・グラマーシー中尉は嫉妬に駆られて恋敵を陥れるために、独身者会なるものを催して如何がわしい女とマチュリンとを会食せしめ、その有り様をエリーナに見せた。それがためにエリーナは婚約を破棄しド・グラマーシー中尉と結婚した。マチュリンは親友の裏切りのために恋に破れたばかりでなく、ガイ・ド・グラマーシー卿に睨まれて軍職を解かれた。マチュリンは憂の国となり果てた英国を去ってパリに赴いた。それから20年の間にド・グラマーシー中尉は欧州対戦で戦死し、娘ジョアンは成人してシリル・エルフィン卿と恋する程になった。20年の放浪生活は金持ちであったマチュリンをすっかり貧乏人にしてしまった。そして彼はロンドンへ帰って来て、一夜思い出深いカフェで図らずもジョアンと近づきになった。かくて彼女はマチュリンを恋する身となったが、彼女の祖父ガイ卿はそれを悲しみ憤り、マチュリンに手切れ金を与えてジョアンとの仲を割こうとした。すると意外にも金を突き返したマチュリンは過去の出来事を彼らに物語った。ガイ卿は初めて我が子の卑劣な行為を知って深く恥じ且つ謝した。そしてエリーナはマチュリンを真実愛していたことを悟り彼と結婚した。
Capel_Maturin
Eleanor_Mailand
Sir_Guy_de_Gramercy
Basil_de_Gramercy
Joan_de_Gramercy
Lord_Cyril_Elphin
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