フリスコ・ジェニー
フリスコ・ジェニー
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フリスコ・ジェニー

1932年公開
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かつてパラマウントに在社して「素晴らしい嘘」「激流を横切る女」等に主演したルース・チャッタートンがワーナーに入社して後の作品で、「母」「つばさの天使」「餓ゆるアメリカ」等と同じくウィリアム・A・ウェルマンの監督したものである。原作はジェラルド・ボーモン、ウィリー・ヘイワード、ジョン・フランシス・ラーキン3氏の合作した小説で、これを「拳闘のキャグネー」「餓ゆるアメリカ」と同じくウィルソン・ミズナー、ロバート・ロードの2人が脚色した。助演する人々は「紅唇罪あり」「ジェニイの一生」のドナルド・クック、「絶対の秘密」「春なき二万年」のルイス・カルハーン、「スーキー」のヘレン・ジェローム・エディーー、「狂恋のつばさ」のジェームズ・魔令、そのほか、ロバート・エメット・オコナー、パット・オマリー、ノール・フランシス、等である。カメラは「母」「天晴れウォング」等と同じくシッド・ヒコクスの担任。

ストーリー

1906年のことである。ジェニーはサン・フランシスコで父の酒場を手伝っている内に店のピアノ弾きのダン・マカリスターと恋に落ち、その種を宿した。彼女がこの事実を父に打ち明けて結婚の許しを求めた時に、折しも例の史上有名なサン・フランシスコの大地震が突発し、この災禍の中に父も恋人のダンも失ってしまった。着のみ着のまま逃れたジェニーは中国人のアマの世話で、汚い中国街で男の子を産み落とした。その後、彼女は救世軍に入ったものの可愛い男の子を育てる力とてないので、ここで切羽詰まった彼女は暗の女となって赤ん坊の養育費を稼いだ。やがて数年の後には彼女は数件の魔窟の持ち主となり、その道ではひとかどの姐御に納まった。そして売り出しの弁護士スティーヴが賭博の間違いから人殺しをしてしまった時に彼女は彼をかばって、彼女自ら殺人容疑者として刑務所に入れられた。が、やがてスティーヴの努力で鐙拠不十分のために出獄したが、児童保護協会が子供を取り上げに来ると知って、スティーヴの知り合いで子供を欲しがっているレイノルズ方に1時、里子にやってしまう。数年の後、生活にも落ち着きのできたジェニーは、レイノルズ方まで子供を迎えに出かけて行くが、育ての親になつき、それを実の両親だと思い込んでいる息子の姿を見ては、ジェニーも愛児の未来を考え、断ち難い愛情のきづなを断って、子供を同家に残したまま、立ち戻ることにした。が、子供への愛情は消すに由なく、陰ながら愛児ダンの成長と消息とを聞いては、それを楽しみに暮らしていた。やがてサン・フランシスコの大地震から年はめぐって、今ではダンも天晴れ1人前の男となりこのジェニーのいる地で、社会廓清を看板に地方検事に立候補することとなった。ジェニーとしては、それまではスティーヴ等と共同して酒の密売をし政界に勢力を得、味方のフォードを後押しして検事に立て様としていたのであったが、愛児ダンの出世と見てはその企ても捨て、フォードを策略で失脚せしめて、代わってダンを検事の職に尽かせた。検事になるとダンはビシビシと悪党どもを検挙していった。これに恐れをなして彼に賄賂して返って我が身を危うくしたスティーヴは、ジェニーに説いてダンに事実を打ち明けて放免してもらおうとする。が、ジェニーがそれを拒むと彼は事実をダンにバラしてしまおうとしたので、ジェニーはやむなく彼を射殺してダンの身をかばった。が、欺くとは知らぬダンの論告は駿列を極め、知らぬとはいえ実の産みの母を死刑の判決にまで送ってしまう。ジェニーは1度は死ぬのが怖くなって思い切ってダンに素性を打ち明け様としたがかくしては折角のダンの生涯を破る基と思い直し、母子の名乗りもせずに死刑の執行を受けたのであった。

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作品データ

原題
Frisco Jenny
製作年
1932年
製作国
アメリカ
初公開日
1932年
製作会社
ファースト・ナショナル映画


[c]キネマ旬報社