ハン・ヒョジョン
イネ
故郷の農村で一人で女の子を産んだ知的障がい者の女性が謎の死を遂げた。事件を疑問に感じた同級生のイネは、一皮ずつはがすように村の真実を解き明かしていくが……。平穏な農村のコミュニティに隠された救済なき原罪を描く異色の韓国アニメーション。ポン・ジュノ、ホ・ジノらを輩出した韓国映画アカデミー(KAFA)の長編課程(2011年)アニメーションコースの修了作品として、キム・ソナとパク・セヒが共同で監督を務めた。日本未公開の韓国アニメ5本を特集する「Cinem@rt韓国アニメセレクション」(シネマート新宿/心斎橋にて2023年1月27日から)にて上映。2022年12月23日(金)から「おうちでCinem@rt」にて先行独占配信。
父親の還暦祝いに参加するため、ソウルから故郷の村に帰ってきた女性イネ。父親を慕って多くの村人が集まっているその宴席に、衝撃的な知らせが飛び込んできた。村で暮らす知的障がい者のウンシルが、一人で女の子を出産した後、手当てされないまま死んでいたのだ。地元の警察は慌てたように事件を処理するが、ウンシルと小学校の同級生だったイネはその経緯に疑問を感じ、自ら子どもを預かって、ウンシルを暴行した人間を突き止めようと試みる。だが同じく同級生だったソンミとジヨンはイネに冷たい視線を向け、子どもを施設に託すよう忠告する。村人たちもことごとく子どもを忌み嫌い、ついに誘拐して殺そうとする者まで現れた。ウンシルとその子には、一体どんな秘密が隠されていたのか……。
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