ミハリナ・オルシャニスカ
Olga Hepnarova
チェコスロバキア最後の女性死刑囚の半生をドキュメンタリータッチで描く伝記ドラマ。1973年、22歳のオルガは路面電車を待つ群衆へトラックで突入。彼女は犯行前、その行為は多くの人々から受けた虐待に対する復讐で、社会に罰を与えたと犯行声明文を送っていた。主演は「ゆれる人魚」のミハリナ・オルシャニスカ。監督はチェコ映画界の新鋭トマーシュ・ヴァインレプとペトル・カズダ。
13歳のときから深い鬱病に悩まされていたオルガ・ヘプナロヴァー(ミハリナ・オルシャニスカ)は、ある日、精神安定剤メプロバメートを過剰摂取し、自殺を図るが未遂に終わる。オルガは精神科の病院に入り、そこで初めて同性同士のカップリングや未成年者の喫煙に直面する。病院でも異質な存在として見られるオルガは、シャワー室で集団リンチを受けた。退院後、オルガは家族から距離を置くようになり、誕生日の願いは家族から離れることであった。煩わしい親元を離れ、森の中の質素な家具しかない小屋で一人暮らしを始めたオルガ。世間への反抗の証にとばかりに髪をボーイッシュなボブに切り、目立たないように頭を下げ、タバコを吸いながら、トラック運転手として働くのだった。職場で出会った美しいイトカ(マリカ・ソポスカー)に自分と同じような匂いを感じ取ったオルガは、自分の性癖を発見する。だがイトカには別の恋人がおり、オルガとの蜜月の日々は長く続かなかった。イトカに捨てられ、孤独のどん底に突き落とされたオルガ。灰皿は吸い殻で溢れるようになり、以前にも増して自暴自棄となってゆく。何度も母親(クラーラ・メリーシコヴァー)に相談するが、結局、処方箋を無言で渡されるだけで、精神科クリニックもオルガを突き放す。そんななか、酒好きの中年男ミラ(マルチン・ペフラート)がオルガに声を掛けてくる。心の安寧を得るオルガだったが、それでも満たされることのない彼女に残るのはタバコと薬、日記や手紙を書くことだけだった。オルガの内なる怒りは時間をかけて蓄積され、そしてついに彼女は最後の行動に出る……。
監督、脚本、製作
監督、脚本、製作
原作
製作、編集
製作
製作
製作
撮影
美術
衣装
日本語字幕
字幕監修
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