アドルフ・ヒトラー
(本人 ※アーカイヴ映像)
「太陽」「エルミタージュ幻想」のアレクサンドル・ソクーロフ監督による驚異の映像詩。黄泉の国を思わせる廃墟のなか、第二次世界大戦時に世界を牛耳っていたヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニといった4人の独裁者たちが、天国の門を目指し彷徨う。独裁者たちの姿は、膨大な量のアーカイヴ素材からのみで構築され、すべて彼らの存命中に撮影された実際の映像を使用。また、独裁者たちの語るセリフはいずれも過去の手記や実際の発言の引用である。第35回東京国際映画祭にて『フェアリーテイル』のタイトルで上映。
深い霞に覆われた色のない廃墟の中で男たちが蠢いている。アドルフ・ヒトラー、ヨシフ・スターリン、ウィンストン・チャーチル、ベニート・ムッソリーニ……。第二次世界大戦時に世界を牛耳っていた独裁者たち。やがて煉獄の晩餐が始まると、お互いの悪行を嘲笑、揶揄し、己の陶酔に浸る。“地獄”のようなこの場所で“天国”へと続く扉が開くのを待っているのだろうか………。
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