キム・シウン
ソヒ
実習生として働いていた高校生が自殺した実際の事件を基に映画化し、第75回カンヌ国際映画祭で韓国映画として初めて批評家週間のクロージング作品に選ばれた人間ドラマ。担任の紹介によりコールセンターで働き始めた高校生ソヒは、厳しいノルマを課され……。監督・脚本は、「私の少女」のチョン・ジュリ。出演は、「ベイビー・ブローカー」のペ・ドゥナ、オーディションで主人公に抜擢されたキム・シウン。
韓国・全州市在住の女子高校生キム・ソヒ(キム・シウン)は担任教師からの紹介で、大手通信会社の下請けのコールセンターで働き始める。顧客の解約を阻止することを至上命題とするこの職場は従業員に厳しいノルマを課し、勤労契約書で保障されている成果給も支払わない。ソヒは連日の残業で、高校を中退して動画配信を始めたジュニら友達との約束も破る羽目になってしまう。そんなある日、従業員の指導役である若い男性チーム長が自殺する。すぐさま本社から新たな女性チーム長が派遣され、業務の再開を指示するが、前日の残業中にチーム長から優しい言葉を掛けられていたソヒは動揺する。新チーム長から成績不振を名指しで咎められたソヒは、実習生だからという理由で成果給の支払いを先送りされる。会社の方針にも疑問を感じたソヒはチーム長への不満を爆発させ、出勤停止3日間となる。謹慎中にジュニとカラオケに出かけたソヒは、手首を切って病院に運ばれる。ソヒは両親に仕事を辞めたいと訴えるが、事情を知らない両親には届かなかった。翌日、面会した担任教師は学校に損害を与えたとソヒを責め、明後日から出勤するよう言いつける。働き始めて3ヶ月にも満たないその日の午後、ソヒは凍てつく郊外の貯水池に身を投げる。全州警察署の刑事オ・ユジン(ペ・ドゥナ)はこの案件を通常の自殺として処理しようとするが、ソヒの勤務先で前チーム長が「従業員が搾取されている」と会社を批判する遺書を残していたことが発覚。さらに、批判の隠蔽を謀った会社側が従業員に覚書への署名を迫ったが、ソヒが最後まで拒んでいたことが判明する。会社への不審を抱いたユジンは実習生への労働搾取の疑惑を問い質すが、会社側はソヒに非があったと主張する。ユジンは捜査を続け、多くの青少年が職場で理不尽な目に遭い、孤立している現実を知る。そんななか、行方不明だったソヒの携帯が見つかる。あらゆるメッセージや写真が削除されていたその携帯に、1本の動画が残されていた……。
監督、脚本
監督、脚本
製作、企画
製作
撮影
音楽
音楽
美術
編集
編集
照明
音響
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