監督、脚本、製作、編集
過去の記録映像を全編に使用して歴史を再構成する“アーカイヴァル・ドキュメンタリー”で世界的評価の高いウクライナ出身のセルゲイ・ロズニツァが、改めて過去の戦争に眼差しを向け、現代に警鐘を鳴らした新作ドキュメンタリー。1946年1月、キエフで行われたナチ・ドイツを断罪する国際軍事裁判、いわゆる「キエフ裁判」を、圧倒的なアーカイヴ映像を積み重ねて描く。アウシュヴィッツやバビ・ヤールの生存者による未公開の証言も含み、「ニュルンベルク裁判」と「東京裁判」に並ぶ、戦後最も重要な軍事裁判が現代に蘇る。第79回ベネチア国際映画祭正式出品。同時公開は「破壊の自然史」。
ストーリー
1946年1月、キエフ。ナチ関係者15名が人道に対する罪で裁判にかけられる。この「キエフ裁判」は、第二次世界大戦の独ソ戦で、ナチ・ドイツとその協力者によるユダヤ人虐殺など戦争犯罪の首謀者を断罪した国際軍事裁判である。身代わりを申し出る母から無理やり幼子を奪いその場で射殺し、生きたまま子供たちの血を抜き焼き殺すという数々の残虐行為が明るみになる。被告人弁論ではありがちな自己弁明に終始する者、仲間に罪を擦りつける者、やらなければ自らも殺されたと同情を得ようとする者と、その姿にハンナ・アーレントの<凡庸な悪>が露わになる。
スタッフ
製作
マリア・チョストバ
製作
イリヤ・フルジャノフスキー
製作
マックス・ヤコヴァ
編集
トマシュ・ウォルスキー
編集
ダニエリウス・コカナウキス
録音
ウラジミール・ゴロヴニツキー
VFX
ジョナス・ザゴルスカス
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- THE KIEV TRIAL
- 製作年
- 2022年
- 製作国
- オランダ=ウクライナ
- 配給
- サニーフィルム
- 初公開日
- 2023年8月12日
- 上映時間
- 106分
- 製作会社
- Production:Atoms & Void=Babyn Yar Holocaust Memorial Center
[c]キネマ旬報社