ナタリー・ウッド
Carol
いままでタブーとされていた“夫婦交換”を、描いたセックス・コメディ。製作は「サボテンの花」のM・J・フランコヴィッチ、監督はテレビ出身の新鋭ポール・マザースキー。脚本はラリー・タッカーとポール・マザースキー。撮影はチャールズ・ラング、音楽は「夜の大捜査線」のクインシー・ジョーンズ、衣装はモス・マブリイ、編集はチュアート・H・パップがそれぞれ担当。出演は「美人泥棒」のナタリー・ウッド、テレビ「アイ・スパイ」で売り出したロバート・カルプ、エリオット・グールド、ダイアン・キャノン、ホルスト・エバーズバーグ、リー・バーガーなど。テクニカラー、スタンダード。1969年作品。
人里放れた山中に“愛の自由な解放”を教える研修所があった。そこを訪れた記録映画製作者のボブ(ロバート・カルプ)とキャロル(ナタリー・ウッド)の夫婦は、研修に参加し、心の交流法を学んだ。そして、そこを去る時には、2人は、今まで以上に強い愛で結ばれていた。それからしばらくたったある日、サンフランシスコでの撮影から戻ったボブは、キャロルに、自分が浮気してきたことを告げるのだった。初めのうち嫉妬していたキャロルも、単にセックスをしたに過ぎない、キャロルへの愛に変わりはない、というボブの言葉にうごかされ、心を開いてくれたボブへの信頼が一段と強くなった。ボブの家のパーティーで、研修の話と、この一件のことを聞いた親友のテッド(エリオット・グールド)とアリス(ダイアン・キャノン)の夫婦は、非常なショックを受け、特に、常識家のアリスは、このショックから、テッドと夫婦の営みが出来なくなってしまった。ある晩、いつものように旅先から戻って家に入ったボブは、キャロルから、テニスのコーチと浮気していたと告げられた。この前の時とは反対に、今度はボブが怒りだしたが、たちまちキャロルを理解して、浮気の相手と意気投合しワインを飲みはじめるのだった。そんなある日、ボブとキャロルとテッドとアリス、2組の夫婦は、1人ずつの子供をつれそろって、ラスベガスに遊びに出かけた。ホテルの一室でワインを飲みながら話し合っている最中、テッドが、最近マイアミで浮気したことを公開した。すると、アリスが突然、服を脱ぎ始め、愛する者同士の乱交パーティーを提案した。しばらくの間、ためらっていた3人も、愛の自由と解放の精神にそくして、さっそく夫婦交換のベッド・イン。翌朝、何かから解放されたようなさわやかな顔をした4人は、そろって愛の歌を合唱しながらホテルから出て行くのだった。(コロムビア配給*1時間45分)
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